歯を抜いた

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いやいやながら歯医者へ。(持ってこいと再三言われた欠けは、結局使ってもえらませんでした)

ま、奥の並んでいた2本が落ちたわけで、どうも根っこが使い物にならないらしい。抜きましょう!といわれて異存なし。ただ、それで終わりかと思ったら、ダメらしいですね。うん、やはり入れ歯をいれますか・・・とか。

ゲゲゲッ。入れ歯ですか。欠けててもいいんだけどなあ。とりあえず抗生物質を処方してもらって帰宅。今日も暑かったです。(レントゲンとるのが不手際あって、説明なくくわえさせられたプラ棒が折れたり、口の周辺が血まみれになったり。さんざん。やっぱり歯医者は嫌いだあ)

歯が落ちた

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あらら、歯が落ちた。詰め物というか、クラウンというか。たぶん右上奥の第6歯。アイスクリーム食べていたら落ちた

実は1カ月ちょっと前にもポロリと落ちていて。たぶん右上奥の第5歯。直さなくっちゃ・・と思いながらサボってました。で、その隣りまで落ちたわけで、計2枚。ちょっと按配悪いです。しかたない。クリニックに電話入れました。歯医者、嫌いなんだけどなあ

先日もふれた作家の中村文則。歯医者が大っきらいで、子供のころは徹底的には抵抗した。むりやりプラスチックの口開け器具(そんなのがある)はめられても、その状態でもツバはいて暴れた。歯医者が「ここまで嫌がる子も珍しい・・」と言ったとかどうとか。うん。気持ちはわかる。

 

トランプ×ハリス

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NHKの総合がトランプ×ハリスの討論会を中継。

うーん、今回の同時通訳は珍しくかなりスムーズ()なんだけど(ふつうは何を言ってのかワケワカメ)その代わり本人の肉声がほとんど消えている。

特にトランプなんか、内容もさることながら口調とか音量なんかが重要なんだけどなあ。あのダミ声や芝居がかったささやき声を、女性通訳のきれいな声で伝えられても、そりゃ違います。そんな上品な雰囲気じゃないんだけど。

しかたない。諦めました。残念。(同時中継にこだわらないで、たとえば30分遅れでもいいです。肉声がきちんと聞こえて、ザッとした日本語字幕を出してもらえれば十分。でも、NHKは納得しないだろうなあ。なぜか『同時中継』にこだわる

「スムーズ」を訂正。あとでキッチンへ行く途中で少し見たときは、あんまり聞きやすい通訳ではなかったです。上手な人も、それほどでもない人も、いる。

「自由対談」中村文則

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jiyuutaidan.jpg河出書房新社★★★

中村文則の対談集。厚いです。えーと、444ページありました。重いです。

中身は「映画・音楽」「文学」「社会問題・テクノロジー」に分けられていて、「文学」はⅠ部とⅡ部、ふたつもある()。ま、作家ですからね。「映画・音楽」は桃井かおりとか綾野剛とかいろいろ。綾野剛はかなり中村文則が好きらしい。

社会問題の章は、かなり力が入っています。中村文則という人、ストレートに発信する人ですね。グネグネした文学者臭さ、晦渋がない。ただしそれとは別で、本人はやたら「純文学」という言葉にこだわっていたりして。純文学なんて言葉、見たのは数十年ぶりです。新鮮でした。

社会・政治で印象に残ったのは、韓国へいったときのこととか。ずいぶん大統領が逮捕されるんですねと向こうで聞いたら、はい民主化を経験してますから。キャンドルデモにも参加するんですかと聞くと「はい」ではなく「もちろん」という答えが返ってくる。そうか、彼らは民主化運動で軍政を倒した経験がある。自信がある。その点、日本とは大きく違うなあ。日本は自分たちの手で政権を倒したという経験がありません。薩長が勝手にやった。アメリカが勝手にやった。自分たちはかかわっていない。

そうそう、幻冬舎から本を出すということがあり(周囲からはやめろというアドバイス)。百田尚樹の「日本国紀」が騒がしかったころです。で、幻冬舎に対しては言いたいことがあったので、出向いていって見城徹に面会。会談そのものは「建設的だった」ものの、中村にとって意外だったのは、見城に対して直接文句を言いにきた作家は自分だけだったらしい...ということ、だそうです。

面白かった話。中高がいっしょだった漫画家(女性)がいるんですね。その漫画家が発見したというんですが、芥川龍之介、晩年に近づくにつれて文章に三点リーダーで増えてくる。「...」です。なるほど、すごい。新発見。

関係ないですが、中村文則、高校時代はこの女の子をふくめて、みーんな嫌いだった。そういう暗い少年。

最後のほうでロシア文学の亀山郁夫との対談が5章続きます。これは読めませんでした。嫌いじゃないけど、うーん、よほどエネルギーがないとドストエフスキー論はつらいです。好きだった時期もあるんだけどなあ。パス。

「自由思考」中村文則

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jiyuushikou.jpg河出書房新★★★

中村文則は「」とか「掏摸」「カード師」とか。たぶんまだ40代くらいかな。芥川賞作家です。難しい言葉は使わない・・とかどこかで書いていますが、たしかにそう。平易な言葉を使って、平易に書いている。たいていは読みやすいです。

で、そのエッセー集。2002年から2019年までだそうです。もっと早めにまとめたかったけど、つい、こうなってしまった。

自称、暗い男。うん、納得。太宰とドストエフスキーにズッポリはまってしまった。なるほど。学生時代、「太陽が似合わない男第一位」に選ばれたそうです。ついでに「自転車に乗れなさそうな男第一位」にもなった。少年時代、ダンゴ虫になりたかった。暗くて湿気だらけの落ち葉の下を這いまわる。危険がせまったらグルッと丸まってやりすごす()。

本は三章に分かれていて、まんなかの第二章は政治や社会へのかなりストレートな感想、批判です。いわゆる「作家」の(凝った、曲折した)文体ではありません。素直。まともにモリカケを批判している。一部の阿諛・忖度メディアを弾劾している。恥ずかしくないのだろうか・・と不思議がる。趣旨はスッキリしていて、読後感はさわやかです。

そうそう。たぶん可愛い系「いい男」の部類と思いますが本人は頬のぷっくりと目の下の隈が気になるらしく、小顔ローラーをすすめられてひそかに使ってみたら効果抜群だったそうです。ま、そういう人。

そんなダンゴ虫なのに、あるとき鳥が飛来してきて、しっかり丸まって防御しているのを、まったく意に介さずペロッと飲み込んだ。ショックですよね。人生観が変わります。

 

水浸しのご飯しゃもじ

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少し前に泊まったリゾート地のホテル。部屋の設備に文句はないし、景色のいい庭なんかも気がきいていて、早朝に散歩でもすれば(しなかったけど)爽快そうです。ロビーのサービスもまずまず。女性客や子供たちは喜んでいました。

ただ、惜しむらく・・・。

hitorinabe.jpg食堂での夕食。コースの途中で刺身盛り合わせの大皿が出たんですが、その豪華な皿を置く場所がない。こまったサービスのお兄さんが適当なあいた場所に置いていく。で、仕方なく子供が立ち上がって、とりわけ係をつとめました。

連泊なので翌日もまた同じような大皿が出ました。このときは少しベテランがサービス係で、さすがにテーブルの上のあれこれをいったん脇に退避させ、それから大皿を中央に配置。「終ったらまた元にもどしますから」とか言うておりましたが、これが正解でしょうね。

というか、コースを考えた料理長(シェフ)の気配り不足です。あの大きさのテーブルで、あれだけの皿や一人鍋コンロを配置しておいて、その中で大皿をどう置かせようというのか。想像力が足りなかった。

もうひとつ。朝のビュッフェ。ビュッフェだって悪くはないでしょうけど、うーん、なんか想像力が足りないなあ。和風、洋風、客がどういうルートで料理を取っていくのかをたぶん考えていないんでしょうね。だから料理デーブルの配置がなんとも使いにくい()。

だし巻タマゴとスクランブルエッグとウィンナーが同じテーブル。だし巻ならご飯とか味噌汁、漬物の近くが便利だろうし、スクランブルはパンの近くでしょう、きっと。なんか区分けが違う。

nureohitu.jpgそしてきわめつけ。大きなおひつにたっぷりご飯が入っているんですが、横に置いたしゃもじが容器の水にとっぷり浸っている。つまりしゃもじに付着する「ご飯粒」を嫌ったんでしょうね。でも水に浸かったしゃもじには、すで飯粒がベッタリです。このベチャベチャしゃもじをどう使えばいいんだあ。飯粒をこそぎ落としたいが、適当な道具がないし・・。

ビショビショしゃもじで掬ったご飯、もちろんビショビショです。哀しいなあ。

昔、カナダのバンフスプリングスホテル、日本人団体ツアーで人気でしたが、日本人客の朝食は一階だったかの専用ルームでした。入ると大混雑で味噌汁と納豆の匂いがプーンと漂っていて、うん、これじゃ西欧客は別の食堂だろうな。それも仕方ない。

ご飯の巨大なおひつ、横には水びたしのしゃもじが確か3本ほどおいてありました。やはり濡れた白い飯粒がべったりこびりついてる。ああ、あそこで見た光景なんだなあ、

こういうことグチャグチャいうのがトリヨリなんでしょうね、きっと。不機嫌なじいさん

「むかしあけぼの 上」田辺聖子

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mukashiskebono.jpg角川書店★★★★

購入合計が3500円に足りないので(配送料をケチって)追加で文庫を一冊購入。なんとなく書名を記憶していたわけです。田辺聖子の本なら読めるでしょう。

なるほど。なかなか面白いです。スムーズに読める。あんまりねっとりしていない。新幹線の中で一気に読みました。

中身は清少納言の「お話」です。小説というべきなのかな。清少納言がそれほど厭味な女ではなく、といって美化しすぎでもなく。ほどほど。このへんが田辺聖子です。

かねてNHK大河で変だなあと思っていましたが、ほんとうに宮中などでは夜中が社交時間帯なんですね()。夜の八時なんかに平気で人がくる。女房たちの局にもちょっと気の利いた貴公子が、やたら遊びに顔を出す。しゃべったりゲームしたり。そのまま明け方まで居すわったり。几帳の陰で居眠りしたり。そうだったんだ。

また、通常はみんな牛車で行き来です。豪華な牛車、貧相な牛車。どっちにしても牛車()。たまには玄関で待たされていた下人たちが文句をいう。はやく牛車を出したいんだけど・・・。いいかげんにしてくれないかなあ。夜があける。

で、最後のほうで発覚。これは「上巻」だったんだあ。例の法王への射かけ事件(長徳の変)の前あたりでオシマイです。道長は政権をとりました。続きはまた下巻を買った後で・・。はて、いつ買えるのやら。

文中、大殿油(おほとなぶら)という言葉がやたら出てきます。よほど宮中の灯の明るさを強調したかったのかな。

受領階級の女性が供一人だけつれて街中をテクテク歩くなんてシーンはありません。
ついでに、高貴な独身女性たちが顔をさらして、若い独身貴族たちの「打球」見物に興じるなんてのもありません。

兵庫・淡路

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今年の夏休みはいろいろ迷った末に『兵庫・淡路』に決定。

何があるという地域ではないですけどね。ま、生涯に一度くらいは姫路城を眺めておくか。日程は台風9号が通過のあとなので、ま、大丈夫でしょ、きっと。

醍醐さん、いえ大誤算です。10号なんてのが南からまっすぐ北上中で、こんな針路の台風,みたことない。ま、途中で偏西風にのって右折してくれるとは思いますが・・・。

ということで、ま、ご想像の通り。やたら天気がよくて、いやー暑いのなんの。姫路城の石垣の前でもうヘロヘロ。私は天守までいかず引き返しました。で、あとで聞いたら奥さんは建物の前で挫折。子供だけは天守のてっぺんまで上がったらしい。若さは素晴らしい。(ちなみに私はあまりの暑さで帽子のフチに白く塩がふいた

himeji.jpg

姫路からは舞子に戻り、そこから高速にのぼってバスで渡海。南淡路西岸のホテルへ。松林の中、周囲になにもなくて静かなホテルでした。翌日、ほんとうは鳴門あたりまで観光の気持ちもあったんですが、フロントに聞くとタクシー使ってもけっこう大変らしい。ここは諦め、つましく周囲を少しまわっておさめました。えーと、イザナギイザナミの国産みにちなんだ「おのころ神社」というところ、それからイングランドの丘というふしぎな公園。ソフトクリームなめてピザ食べて、ま、暑さにヒーヒーいいながらも2日すごせました。

で、鈍行台風がへんな動きをしてるようだけど油断せず、翌日はさっさと海をわたって三宮へ。乗車の新幹線を早めにしたわけですが、ま、正解でしたね。すんなり走ってるなあ・・と思ったら浜松過ぎてから停車。静岡との間に線状降水帯とか。何回かギコバタ停車を繰り返しながら、2時間弱のおくれで東京へ戻れました。いやはや。

なかなかに大変でしたが決定的にはならなかった。無事に帰宅できました。よかった。

下はおのころ神社の大鳥居。高さ21.7メートル。大きいです。

 onokoro.jpg

編集工学

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松岡正剛(氏)が亡くなったというニュース。80歳。

呼び捨てにするのもなんだし、尊称をつけるのもナニ。難しいです。よくは知りませんが「編集工学」とかいう、これもよくわからない概念というか、活動というか。

それはともかく、何年か前、たまたまネットで遭遇した「千夜千冊」のサイトは非常に面白かった。面白いが、だから次から次へとページを繰るというわけでもない。自分にとっては橋本治みたいなもんですね。興味はあるし偉いなあとは思うものの、なかなか近づけない。少し、おっくう。

わざわざ書く意味があるのかどうか。ただ、いちおう記しておきたくなったので、メモ。

 

世田谷のトシヨリ

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何週か前、たしか週刊現代の広告で『なぜ「世田谷じいさん」はすぐ怒鳴るのか』という見出しを見かけて、つい笑ってしまいました。

setagayajiisan.jpgそうなんだよな、なぜか『世田谷』のじいさんです。これがナントカ県の字狸熊村だったら何もおかしくない。山の畑で爺さんが汗拭きながら腹を立てている。江東区でもダメ。路地の片隅、朝顔プランターの横で作務衣のオヤジが如雨露持って怒っている。当たり前すぎます。

世田谷ですからね。けっこうな住宅街ということになっています。二子玉川とか成城とか三軒茶屋とか。所ジョージが優雅に遊んでいる(はず。たぶん。世田谷ベース)もここです。さらに、洒落た青山や赤坂でないのもツボ。

あくまでイメージですが、シニア住民はそこそこ企業の部長クラスだったとか、某私立大の教授だったとか。引退したけど、ま、なんとか食うに困らない程度の年金。付近は小公園があって、気の利いたコーヒー店があったり、よく知らんけど小さな本屋も少しは残っているかな。なんとなく散歩してみたいエリアです。

ま、そういう街で、禿げ頭にパナマかぶった老紳士がどなっている。ステッキ持った上品な白髪が顔を赤くしている。だから絵になる。思い描いた老後とは違うんですね、きっと。

店員の応対が気に入らない。ふとフライドチキン4本買おうとしただけなのに、セルフレジに追いやられる。カウンターの中の店員はアクビしてるじゃないか。以前は「ナゲットはいかがですか」「店内でお召し上がりですか」「ナプキンは何枚・・」の饒舌決まりセリフに腹を立てたけど(トシヨリが一人で4本食うと思うか!)これはこれでイライラする。焦っても指が乾燥して、タッチ画面が反応しない。後ろに人がならぶ。

それなら・・と小ぎれいで新しそうな蕎麦屋に入ると、ここもテーブルにタブレットが置いてある。回転寿司じゃないぞ。蕎麦までデシタル注文なのか・・・。はい。

家にいてもダメ。奥さんが嫌がる。新聞は腰が引けているしテレビはつまらない。どこのチャンネルもアホ面タレントが大声出している。ニュースは底が浅くて忖度だらけで、一日に何回も女子アナが訂正で頭を下げる。コメンテーターがまだしゃべっているのに、いきなり画面はCMに切り替わる。そのCMがつまらん。保険と葬儀と転職と通販と、あとはナンだ? ミライさんとつむぐくんがどうしたって?

そもそもいつから保険は「入れていただくもの」になったんだろ。「まあ80歳でも入れるの? すごい・・」とか。月々たった3000円、でもなんと6000円、9000円のコースもあって嬉しいわ。明日は洗濯日和ですが午前中がおすすめで、外出の際は携帯傘を忘れずに。で、外はパリパリ、中はジューシー、トローりと肉汁、舌鼓。

てなことでしょうか()。優雅そうなトシヨリ、長閑そうなニッポンの住宅街で、実は腹を立てている。こんなはずじゃなかった気がする・・・。

要旨冒頭を斜め読みしてみたら、実際の週刊誌の内容は少し違っていたようで、内容はもっとストレートでした。つまらん。