親指シフトの陥穽

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今回の新マザーボードはASUSのTUF GAMING B650-PLUS WIFI。初めてのATXサイズです()。小型なMicroATXで少し廉価なTUF GAMING B650M-E WIFIならPS/2ポートがついているのは知っていましたが()、ま、かねてのUSB-PS/2変換器もあるし大丈夫と踏んでいました。これが大失敗。

古い親指シフトキーボードを接続して、うん問題なしと思ったのも束の間、なんかおかしい。SHIFTキーが効かないので複数ファイルの一括選択ができない。すべての動きがワンテンポ余計にかかる感じ。最初の一歩がとろい。

仕方ないな。USB分配器をかまして、ちゃちなUSBキーボードも接続。ダブルキーボードですね。こっちはキビキビと動きます。で、PS/2キーボードも動くんだけど、だけどそのうち固まる。うんともすんとも。再起動。また同じことの繰り返し。再起動。そのうち無反応になって壊れたかと思った。

うーん。いっそ中古のUSB親指シフトキーボードを買おうかとも考えたんですけどね。でもこれからWindows11とか12とか、いつまで親指シフトが通じるのか。OSが変わるたびに親指ユーザは苦労してきた。特に要注意がWindows12です。ここは思い切って変身をはかるか。思い切って。

・・・ということで、苦労しながらローマ字打ちで以上、書いてみました。つかれた

kb211old.jpg

選択肢1 中古のUSB親指シフトキーボード
選択肢2 PS/2ポート付きのマザーボード
選択肢3 JISキーボードでローマ字入力に切り替え。

現状は「3」ですね。そうなると暫定的に買った安物キーボードが嫌になってくる。軽くてキーがペコペコするんです。

ちゃちじゃない、まっとうな重いキーボード、ネットで探しておくかな。ロジクール?。東プレ?

実はずーっと大きなATXマザーボードを使ってみたかった。ゆったりしていて、内部の空気もよく流れるはず。
いまどきPS/2ポート付きは珍しい。付いてるのはたいてい安めの(業務用?)マザーボードが多い。

MUGEN6 Black Edition

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今回はCPUクーラーにサイズ(SCYTHE)の「MUGEN6 Black Edition」を使っています。

Ryzen 7 9700Xは定格が65Wだし、オーバークロックする予定もないので、たいして熱くはならないと思うのですが、でも一応は厚みがあって重量1kg以上、重装備のMUGEN6にしました。ダブル12cmファンです。昔からの感覚で、CPUが熱くなるのは気分が悪いんです。できれば最悪50~60度に抑えたい。それなのに最近は85度とか90度とか平気と言う。怖いです。

cristal202501.jpgで、実際にクーラーを装着してみての感想。やはり想像通りで、リアファンがケースの排気ファンに近すぎます。アキが数センチしかない。ファンが接近しすぎているのはなんかイヤで、MUGEN6のリアファンを外しました。冷却性能は落ちますが、たぶんこれでも十分なはずです。

ようするに「MUGEN6 Black Edition」を廉価版の「MUGEN6」に落とした。そんなら最初からMUGEN6にすればいいじゃないかという話ですが、価格はほとんど違わないし。わずかな差額で予備の12cmファンがひとつもらえた、という結果です。

計ってみると、冬の室温ではありますがCディスクが33度。CPUはどうかとBIOSに入ろうとしたら、なんせUSB→PS/2コンバータをかませた変則キーボードのせいか、Deleteキーが効かない。うーん、いろいろ不便になった。

お世話になった親指シフトですが、不便が多すぎる。JISキーボードのローマ字変換をもう少し練習しておくべきかなあ。

Ryzen 7 9700X 新システム

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正月4日から組み立て作業。

思いがけず苦労しました。せいぜい半日か1日で終わるはずが、なんと3日がかり。こういう作業をやるような年齢ではなくなった。

b650gaming.jpgまずトラブったのがCPU設置です。マザーボードのCPU保護用についているソケット蓋をどうするか。無理に取り払うのはダメみたいで、結局スマホでネット動画を確認しました。またCPUクーラー(Mugen6)の設置も説明図の矢印が意味不明で、まるでCPU周囲の重要ネジを抜き取るみたいに記してある。かなり迷ってから「常識的に」解釈。それでよかったようです。

以後は比較的とんとんと進んで、山場の電源投入。何回やってもドキドキしますね。で、スイッチいれた。静まりかえっている。あらら。

まさか不良品ということはないだろう・・・と考えて。まず電源プラグをギュッと押し込んでみるか。メインの24ピンと補助の12ピン。補助もほんとうは8+4がいいらしいのですが、手持ちの650W電源ユニットにはもう予備の4ピンプラグなんてついてない。「4ピンだけでは不安定だけど、なんなら8ピンだけでも間に合う」と書いてあったから、ま、補助は8ピン分だけで勘弁してもらいます。120Wとか170Wとか使って、ガンガン走らせる人には必要なんでしょう、きっと。

mugen6.jpgで、あちこちギュッと押してやってから電源再投入。うん、みごと起動。よかったよかった。ひと山超えた。

で、BIOSを通過して、次は変更しておいた MSアカウントでのサインイン。アカウントとパスワードを入れればそれでOKのつもりでしたが、これがダメだった。理由は「親指シフトキーボード」ですね。

使っているのは大昔の富士通謹製キーボード。定価3万だったかな。丈夫な四半世紀ものなんですが、問題は「PS/2接続」ということで、いまどきのマザーボードにPS/2ポートなんてありません。で、かねて用意のUSB→PS/2変換コンバータ()をかまして、これで行くつもりだったのに、マイクロソフトの入力画面はこのキーボード入力を受けつけない。ようするに、文字を入力できない。何回トライしてもダメ。通常の文字入力とは性格が違うんでしょうね。

仕方なく駅前まででかけて、キーボードを買いました。安いんですよね。エレコムの安いので1600円くらいだったか、ペラペラ。無意味に少し気取って3000円超のにしました。で、これを接続して同様にサインインしてみると、もちろん問題なく通る。悔しいなあ。親指シフトのUSB接続、ずーっと富士通が売っていたんだけど、なんせ定価3万。もったいなくて買えなかった。買えないでいるうちに、いきなり生産中止になっていた。もう手に入らない。たぶん先の見える親指シフトユーザーは2枚、3枚と買い占めてるんだと思います。

アプリのインストールではPhotoshopがとくに大変でした。慣れないキーボード、まだ調整していないデスクトップ画面(ウィンドウが勝手に拡大、暴れる=スナップしまくる)、メモしたPWがいくつかあって、どれが本当かわからない(自分がアホだ)などなど。結局新しいPWを設定するはめになった。疲れる()。

などなど。だいたい初日は電源投入で終了。二日目は主なアプリのインストールで終了。3日目でデスクトップとかフォルダの細かな調整。

やれやれです。生涯、もう二度とできないだろうなあ

いろんなコンバータ製品があって、みんな「OK」と言ってるんだけど、現実に有効なのは数種だけのようです。親指ユーザの掲示板かなんかで情報を得る。
今度こそうまくいった・・と思ったら「somthing wrong・・・」だって。やりなおし。

忘れてた重大事件。Windowsのお皿がない。紛失。必死にメモ探してなんとかそれらしい文字列を記入。ライセンスも通ったけど、本気で探しておかないといけない。

2025年正月二日

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元日は年賀で縁戚宅へ。さいわいあまり飲まず食べずにすんだので、帰宅してからしばし休憩をはさんで、いちおうはワインを少々。

今朝はたっぷり朝寝して起床。ボーッと過ごしています。何もすることがないのは、いいなあ。
箱根駅伝、いつもの定番が往路優勝なのはちょっとナンだけど、ま、中央、早稲田など珍しいのが健闘しているのは歓迎。波乱を期待どすえ。

さて、いつ新システムを組み上げるか。旧システムのバックアップ。マザボとCPUの交換。Win10のクリーンインストール。TPM 2.0 の有効化などなど。やることは多い。気力の充実を待っている状態。

おめでとうございます

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謹賀新年。

起きてテレビつけたら、何も見るものがない。どこのチャンネルもBSもダメ。あきらめました。

前からそうではあったものの、更に一段、違和感(疎外感?)が増した印象。困ったもんです。

コメント書き込み、今年はなんとか可能にしたいです。でも難しそうだなあ。アタマ、どんどん悪くなって簡単なプログラムも理解できない。根気も続かなくなっている。うーん。

2024年、いろいろ

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永遠に酷暑の夏が続くかと思った。と思ったらいきなり冬。着るものが夏用と冬用だけでいい、なんか疲れる一年でした。そうそう、数年越し、ついに決心して加湿器を買いました。トシもあり、指が乾燥でガサガサになっていました。

dega2024.jpgPanasonicのBDレコーダー

長年使っていたDVDレコーダーを買い換え。なんと17年ものでした。

いろいろ勘案のすえに購入したのがパナソニックの「Diga DMR-2W102」。わりあい廉価な代物で、HDは1テラ。足りないといえば足りないんですが、こういうものは何テラあったって実は足りない。これまでの250ギガにくらべれば段チガイです。

いまのところ、奥さんは手軽に録画しているようですが、ま、当分は大丈夫でしょう。それより調べて知った驚愕の事実。もう円盤メディアは終焉なんだ。録画用ディスクはもうどこのメーカーも製造していないはずです。レコーダーそのものももう生産オシマイでしょう、きっと。つまりはネットを使えということなんですね。

slide-choban.jpg洗面台の収納扉

ただ洗面台の下扉、ガ タつく締まり具合を調節したというだけのことなんですが、本人的には驚天動地。

こうした扉に使っている蝶番は特殊なんですね。スライド丁番。それを発見した。知ってからあちこち見ると、やたらと使用されていて、家具の世界では常識らしい。そうか、知らないところで世の中は変化していたんだ。いったん扉を据えつけてからも蝶番のネジを回すだけで前後左右、扉の締まり具合を変えられる。すごいなあ。道具の世界はすごいです。

ecco.jpgスニーカー

何年か何十年ぶりか、スニーカーを購入。最近奥さんが気に入っている吉祥寺の店。

靴、たいてい実寸より少し余裕のあるサイズを買うんですが、このスニーカーだけはピッタリ(25.5 )。妙にジャストサイズで、足の一部ではなく、足ぜんたいをピッタリ包みこむような大きさ。不思議な感覚です。合いすぎる。

30分や1時間ではわからない。せめて半日くらい履き続けないと、合っているのかどうか自信が持てない。こんなフィット感の靴は初めてです。靴擦れが怖かったのですが、結果としては「ジャストサイス」でした。ぴったりしているけど、どこも痛くならない。不思議だなあ。

昔は「トーシチ」と覚えました。十文七分。25.5cmです。

boushi2024.jpg父の日

父の日というんで、新宿にでかけて夏用の帽子とシャツを買ってもらいました。

新宿は久しぶりだなあ。お祭りみたいにゴッタがえしている。インバウンド過剰はほんとうでしたね、そのあとは西口のホテルで中華。用心はしたけど腹いっぱい。田舎のネズミが都会へ旅したみたいな感でした。

himeji.jpg兵庫・淡路

暑いさなか、兵庫、淡路へ。

姫路城をまじかに見ました。「見ました」なので、天守に登ってはいません。妻子が天守に入ってから出てくるまで、近くのナントカ門の日陰で待っていました。待っているだけでも暑かった。次から次へとガイジンさんたちが門をくぐる。

そのあとは高速に上がって()ナントカ橋で海をわたって淡路へ。先日買ってもらった夏用の帽子に塩が吹きました。嘘かと思うほどきれいにマダラ白。

舞子だったか高速までの階段がえらく長かった。3~4階ぶんは上がったような。

haisha.jpg歯を抜いた

右の奥歯のクラウンが落ちて、歯医者へいったら「もうダメ」らしい。それをひっこ抜いて、その隣もダメ候補とかで、やはり抜歯。で、2本分の欠落は義歯に。ひぇー。

初めての入れ歯、あんまり使いやすいもんじゃないですね。ついついサボって外しっぱなしです。それどころか反対の左側も危ないそうで、そっちもガリガリ削られてしまった。毎週々々の通院で年越し、来年に冠をかぶせるそうです。ふん。歯医者は嫌いだあ。

wzeditor10.jpgのサムネイル画像WZ EDITOR 10

洗面所の電球が切れた。口金サイズE17のミニレフ球です。駅前の大型店では売っていない。

調べたらヨドバシに1コ200円強でありました。ヨドバシは無料で送ってくれるんですが、これだけでは少し気が咎めて、つい前から気にかかっていたエディタまで注文してしまった。大昔から使っているWZ EDITORの最新型でバージョン10。

高機能すぎますね。メニューが多すぎてかえって使いにくい。暇を見て、使い方を少しずつ調べています。たかがエディタ、けっこう奥が深い。

2024年に読んだ本

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今年も本を読めない一年でした。トシヨリには負担なネットバンキングやらマイナンバーやら、PayPayやら。おまけにPC関連の流れも調べたいしCPUは欲しいし。忙しい。

読後を書いたのがたったの16件。えっ?という少なさです。実際には途中で挫折したケースが多々あって、ま、たいていは返却期限切れですね。

なんか気が乗らず、本はリビングのテーブルに重ねて積んだまま。そのまま放置の場合もあり、たまには急に覚醒して読みふけったり。必死に読むと肩が凝ります。目も痛くなります。あは。

souingyokusai2.jpg「総員玉砕せよ!」水木しげる

水木しげるのニューギニア、ニューブリテン島もの。だいたい想像通りの内容でした。悲惨。不条理。能天気。無駄に明るい。

内容はほとんど事実だそうです。ただ登場の若いヘータイたちは哀れで一方的な被害者というわけでもない。毎日ビンタくって腹へらしていますが、それでもオンナのことは忘れないし、いろいろズルイことも考える。ま、ニンゲンです。

無駄に玉砕を決断した若き大隊長はアホですが、でもそうした(純粋な)アホが当時はたくさんいたんだろうなあ。そうそう。水木しげるの絵は凄絶に上手です。天才。

mukashiskebono.jpg「むかしあけぼの」田辺聖子

アマゾンの購入合計が規定の3500円に足りなかったので(配送料をケチるため)追加で追加した本です。なんとなく書名を記憶していた。

中身は清少納言の「お話」です。いちおうは小説なんでしょうね。描かれた清少納言が決定的には厭味な女でもなく、かといって美化はされていない。ま、わりあい身勝手で才能ある女性です。オトコ関係なども証拠があるのかないのか不明ですが、なんとなく納得できる感じ。そんなもんだったんだ。

初めて知ったのは、このころの宮中、女房勤め、夜が大事だということ。夜というのはシンプルに「夜間勤務」という意味です。暗くなってから牛車が通う。使者がくる。貴公子たちが気晴らしに訪問する。女房たちは几帳の陰で居眠りする。ご主人たちは夜遊びしたがるし、牛車の御者たちは早く帰りたくてブーブー文句をたれる。

なかなか面白い本でした。やはり田辺聖子は達者。(買ってから上下巻と知った。あわてて下巻も買いました)

ketumyaku.jpgのサムネイル画像「血脈」佐藤愛子

佐藤家の血脈の話です。佐藤は佐藤紅緑。

紅緑は子供のころに一冊か二冊は読んだと思います。ただ「あゝ玉杯に花うけて」かどうかは不明。貸本屋にあったかどうか。

そもそもはサトウハチローについての興味で借り出しました。顔はゴツい、愛嬌がある。書くものはキレイでセンチ、華麗。けっこうな困りものという話を聞いたことはある。はて。

壮絶な本でした。佐藤紅緑と若い女との宿命的な関係に始まり、呪われたDNAが繋がる。みんな激しいです。そこに絡んでくる女性たちもすごい。オトコたちも激しい。辛い。みーんな悪人。みーんな不幸。どうしようもない。

いわば始祖の紅緑とその長男のハチロー、娘の愛子。三人だけがいわば選抜組で、呪いの血に打ち勝った。あとはみーんな血に負けた。

konoyooba.jpg 「この世をば」永井路子

だいたい800ページ。装丁から想像できるように、きっしり活字が詰まっています。重いです。

ま、ストーリーは大河ドラマに準じています。逆か。大河がこっちの本を参考にしている。ただし永井路子ですから大河ドラマほど勝手に逸脱してはいません。紫式部と少年時代に出会ったりもしないし、石山寺で合い挽き逢引きもしません。ま、だいたい事実(日記記述)通りの展開。

ボーッと育った三男坊がべらぼうな幸運に恵まれて氏の長者になり、摂政関白。どうも姉ちゃん(女院・吉田羊)が思い切って贔屓にしてくれたんでしょうね。おまけにライバルの伊周がアホやってくれたし。

当時の雰囲気、こんな感じだったのかな・・・を伝えてくれています。長いけど、読み飽きませんでした。それどこか二回も読んでしまった。あはは。

首がまわらない

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kubigaitai.jpgこのところ続いてきた肩こり&首がまわらない・・・がようやく解消の兆し。
けっこう長かったなあ。一カ月近かったんじゃないか。使っていた枕を変えて、フニャフニャの柔らかいのにしたのがよかったのか。少しずつ改善で、ま、ほぼ終った雰囲気。

忘れているけど、たいていこの年末ごろ、肩が痛いとか首がどうとか言っているような気がする。原因は不明。ま、長時間パソコン使っているんだから文句は言えません。

あと数日で新年。無事、喜寿の年が暮れます。

新システム

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ryzen7-9700x.jpgあーあ、我慢できずに、新しいPCシステム発注しててしまった。Ryzen 7 9700XとASUSのマザー、メモリ、クーラー、一式。

まだ届いてないけど、新年ボケがおさまったころにでも組み上げる予定。Windows12も絡むので()、今回はいろいろ考えることが多い。

 

現状はまだWindows10です。どっちにしてもいったんWindows11を経由する形になると思うんだけど、そのWindows11 24H2バージョン、トラブル続きでえらく評判が悪いみたい。困るなあ。

「やんごとなき読者」アラン・ベネット

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yangotonakido.jpg白水社★★★

ウィンザー城の裏庭で犬どもが大騒ぎしている。静めに行った飼い主はそこに一台の移動図書館を発見。ま、礼儀として中に入っていちおうは話しかけ、なりゆきで本を一冊借り出す。とんでもなく退屈な本。侍従に返却させるつもりだったのに、これまた成り行きで翌週また移動図書館へ。こんども借りることになり、今度はえらく面白い。

ま、そんな経緯で80歳の女王は「本を読む」という楽しみを知ってしまう。

英国人とか、王室についての知識があるともっともっと面白いんでしょうね。作家の名前とか、評価とか。我々も知っている作家としては、たとえばプルースト。最初は「紅茶にケーキを浸すんですって。あんまりいい趣味とはいえないわね」と評価していた女王なのに、そのうちどっぷりはまる。指導役だった身分の低い書記(台所の下働きからひきあげてやった)と大部の『失われた時を求めて』について読書論を戦わす。

ま、いきなり女王から「最近は何を読んでいるの?」と聞かれた首相は焦るでしょうね、きっと。ジャン・ジュネの話を急に振られたフランス大統領は困惑してしまう。ジュネ? 誰だ。助けになりそうな文化大臣はどこへ行ったんだ・・・。

解説によると、英国の上流階級は知的であることをヨシとしないらしいです。評価しない。確かに。本が好きな貴族なんて、誰かいたか?

女王たちがニュージーランドからきた侍従をどう思うか。これもわからんです。インドは? アフリカは? あんまり長くはない本ですが、楽しく読めました。ま、主役の「女王」のキャラもありますが。

慈悲深く穏やかな君主ではありますが、騙されることは好きではない。ひそかに読書の邪魔をたくらんだ侍従はあっさクビです。