悪名高い大河ドラマの原作となった著書。本人が原作(?)を書いて脚本もやっているんだから、この竹山さんという人の方向性はこの本ですべて見えるはずだろうと、怖いもの見たさで借りた。
今年の利家とまつについては、大河ドラマサイトなどで徹底分析され、かつクソミソにけなされている。借用になるかもしれないが、私自身も実感しているのは
・どこのお城もすべて出入自由で至便の3LDK構造
・近畿・北陸など各地を結ぶ「どこでもドア」開通済
・少数の主要人物はどこでも、何にでもすぐ集合する
・登場人物の性格と意見は毎週コロコロ変わる
・季節はその場に応じて自由自在に変化
・腰元・小姓・家来などは原則として存在しない。
見たことのない人には意味不明かもしれないな。たとえば清洲時代は重臣・柴田勝家が、部下・利家の留守宅に上がりこんでまつとダベっていたり、淀の方は生まれてまもない捨松を抱いて、前触れもなく金沢城の一室に出現したり(絶対にワープ!だ)、利家夫人が急に一人で城を抜け出して敵方の富山へむけて(吹雪の中!)歩きだしたり。それを亭主が一人で追いかけてきたり。佐々の奥方がなぜか厳冬の立山で遭難して助かったのに、夫には無意味に秘密にして会わなかったり。ま、しっちゃかめっちゃか。
で、文句ぶーぶー言いながら、でも毎週見ています。だって今度はなにをやってくれるか、ワクワクしてしまうんだもの。
そうそう、肝心の本の方ですが、こりゃ小説ではありませんな。テレビ見てるよりは登場人物の心理説明らしきものがある程度で、基本的に肉付けゼロの単なる脚本です(それもセリフの重みがまったく感じられない脚本)。それにしては厚い本で上下2巻もある。寝る前に寝っころがって下巻の半分までは我慢したけど、もう終わり。NHK出版もよくこんな本を出版したなー。倉本聡さんなんかんだと、テレビもいいけど脚本読む方が楽しい部分もあるんですけどね。
上巻を借りてる人が待ってるといけないんで、なるべく早く図書館に返却します。
そうそう、「アメリカの歴史
第3巻」も駆け足で読了。予想通り、ケネディは徹頭徹尾クソミソに叩かれていた。P.ジョンソンって、決して読みやすくはないのだが、こうした頑固オヤジふうのところがあって、つい手にしてしまう。