キャンベル賞、アーサー.C.クラーク賞受賞。奇妙な後味を残す近未来SF。
要するに地球環境がめちゃくちゃになってしまった21世紀。ナノテクと遺伝子操作、ネットが爆発的に発展し、ありとあらゆる疫病がはびこり、難民が押し寄せ、ドラッグが蔓延する時代。ロンドン、パリ、アルバニアを舞台にデブのハッカー詩人(道化師かな)と邪悪(?)な天才お姫様、凶悪クローンフェアリーたちが織りなす幻想的かつ汚濁の暴力世界。
こう書くと、何がなんだかわからないなー。わからないSFです。作者はフェアリーランド(ディズニーランドみたいなもんだな)に思い入れがあるらしく、そのへんが不思議な雰囲気になっているみたい。
あるようなないようなストーリーを追うのは、さして意味がないでしょうね。イメージだけ味わうのが正しいかも知れない。
悪くない一冊でした。