2年ぶりの再読。相変わらず面白かった。
レクター博士という怪物を創造したことも凄いけど、クラリス捜査官(まだ研修生か)というキャラクターもいいです。貧しさから必死にはい上がろうとしている、意欲あふれる聡明な女性。疲れ切った定年間際のベテラン捜査官。気のきいた友人。スミソニアンのへんてこりんな研究者。豊満な乳房を持ちたかった、裁縫上手な大男。
さすがに2回目となると、あちこちのアラも見えてくる。書のテーマとなっている「羊」の沈黙とは何を指すのか。レクターはボールペンの先端部分を具体的にどう細工して脱獄に成功したのか。なんとなくわかったようで、実は理解していない。
原文を知らないから無責任な言い方だが、訳が悪いんじゃないのかなー。やけにクセのある訳で、それが雰囲気を作っているともいえるけど、分かりにくい。テニオハの使い方も、あちこちで引っかかる。
とういうようなイロイロはあるけど、でも楽しめました。次の「ハンニバル」は、ちょっと仕掛けがおどろおどろし過ぎる嫌いがあり、ちょっと躊躇。