矮小な港町  Day1

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morrow4.jpg交易所で買い物。あの指輪男からの紹介があったはずなので、たぶん割安に売ってくれているのだろうが、よくはわからない。というより、この世界の取引の方法そのものがまだ理解できていないのだ。私が売りたいものを提示し、店主が在庫のリストを見せ、私が品物を選ぶとトータルの差し引きが出る。粗末な弓と片手用の軽い剣を買う。あまり安くもなかったが革の胴鎧と盾も購入。ブーツはかなりの安物。それでも一応はまともな服装になった。ガウンを上に羽織ると鎧が見えないのがいい。

これからの旅で必要になりそうな回復薬のたぐいも在庫がありそうな雰囲気だし、常備したほうがいいよと助言をしてはくれるが、しかし買う方法がわからない。それとも私の勘違いで、こういう交易店ではポーションは扱っていないのだろうか。

二階がホテルになっているらしい。挨拶をして二階への階段へ向かう。店主たちの視線が私の背を追っているのが感じられる。この連中は信頼できるのか、それとも何か考えているのか。それが不安だ。

ホテルではあまり知能程度の高くはなさそうな男と話をした。ヘンペーソクというあだ名らしい。怪しげな取引を持ちかけてきたが、なぜ初対面の私にそんなことを依頼するのだろう。見張りくらい、自分でやればいいのに。この取引にも、何か裏がありそうな気もする。この町のすべてが、疑わしいといえば疑わしい