小林秀雄なんて、教科書で読んだっきり。なま女房が深夜に鼓を打ってなんとか・・という代物でしたか。以来、手にとってみたこともない。いかにも偉そうで敬遠してました。
世界文化社の本ですから、写真がけっこう入っています。骨董とか絵とか書とか。小林秀雄が愛したという青磁やらなんやら、一見しただけではは少しも良さそうに見えないですね。やはり世界が違う。レベルが違う。
いろんなエッセイやら評論やらを収録していますが、中でも青山二郎との仲間うち対談は違った意味で面白かった。ほとんど意味不明。酔っぱらった友人同士がヘロヘロでしゃべっているような内容。でも当時の信者にとっては含蓄だらけの素晴らしい高踏対談だったんだろうなー。
ザーッと(それでも小林秀雄ですから、時間はかかる)
読んでみました。ザーッと読んではいけない本だということは理解できました。一行一行、テニオハの一つ一つに味がある。重いとでもいうか、じっくり舌の上で転がして味わわなくてはいけない文章ですね。濃厚な抹茶です。
「平家物語」の評を読んで、なんか平家をじっくり読みたくなりました。文庫で探して第一巻だけでも買ってみるかな。以前は荒唐無稽の太平記に興味があったけど、今度は平家。老後の楽しみになるかもしれない。