前に同じ三好さんの興亡三国志(たしか文庫で全5巻)の2巻まで読んだ。通して読むつもりで1~3巻まとめて買ったのだが、なぜか第2巻がダブっていた。買いなおすのもナニで、ここで挫折。
オーソドックスな構成の三国志と違い、この外伝はオムニバス構成となっている。本編ではゴチャゴチャ登場して、あっさり消えてしまう名将・参謀・論客などなどを一人ずつ主人公として取り上げている。全部で16人かな。
従って、この外伝では劉備も曹操も関羽も前面には出てこない。彼らの下で一瞬の輝きを得たり、失意のうちに首を刎ねられたり、賢く立ち回ろうとして失敗したり、・・という人間臭さがなんともいい。だいたい劉備が死んでからのことなんて、普通の三国志じゃあまり語られていないもんね。
という具合で意外に面白くはあったが、でも三好さんが書いてもこんなものなのかなーという失望はある。かなり達者な作家でも、このテの歴史ものを題材にすると、なぜか平凡な小説になりがち。題材や登場人物があまりに強烈すぎるのかな。腐るほどあるマリー・アントワネットものなんかもそうですね。