去年だったか巻1~2を読んだ。しかし何故か図書館には巻3~4がなく、それっきりだったのだが、先週またフラリと出掛けたら新着図書の棚に2冊並んでいた。もちろん即効ゲット。まだ一人か二人しか読んでいない雰囲気で、新しい。
内容は例によってのミッチェナーふう展開で、アメリカはチェサピーク湾を主題とした数百年の物語。チェサピークって、さすがに名前は知っていたが、たぶんワシントンとかニューヨークとかあっちの方だろう程度のおぼろげなもの。ようやく勉強できました。
ボルティモアとかフィアデルフィア、アナポリスとかサスケノハナ川とか、こういう位置関係だったんだ。おまけにペンシルバニア、メリーランド、バージニアなんかの配置も初めて詳細に知ることが出来た。なるほどねー。なんとくノッペリした海岸にこうした州が南北にズラーッと並んでいるような印象だったが、まったく違って複雑に入り組んでいる。
で、チェサピーク湾。調べてみたら平均の水深が7メートル。広さは瀬戸内海の5分の3強。浅くて、でかいです。湾の中央には旧サスケノハナ川の跡が残っているため、ここだけは水深があり、喫水の深い船でも通れるようです。
主な登場人物(というか家系)は農園主、造船業のクェーカー教徒、這い上がろうとする黒人。それにプラスして湿地帯にはびこっている貧乏白人たちがいて、これが魅力的。無学、偏見、頑固、狡賢い、強靱という家系(パタモーク一家?)で、好きなのは黒人いじめと雁猟。どうしようもない、典型的なアメリカの困ったプアーホワイト。しかも素晴らしい享楽的な連中。味があります。