古川日出男ってのは、2月に読んだ「アラビアの夜の種族"の著者ですね。これはちょっと説明不能の内容ではありますが、それなりによかった。
同じ著者なんで少し期待してましたが、この「13」は、うーん・・・なんと言うべきか・・・。オドロオドロシイ出だしも良かったし、前半もそれなりだったんですが、後がいけない。東京では神童、中学出てからはザイールに飛んで少年ケニャみたいに活躍してた「天才少年・橋本響一」クンが、傷ついた青年になってからは何故か冴えないハリウッドの映像技術者になってしまう。
壮大に広がった銀傘が、急にしぼんで破れカサになってしまった印象。天才ミュージシャンと異色女優と名監督と、そしてこの神童青年が収斂して何をするかというと、カミサマ映画を撮る。どうも面白そうな映画ではなさそうです。
そうそう、妙にカッコぶってますが「13」というのはジャングルで狂って死んだ米人兵士の認識番号です。