けっこう楽しめました。
だいぶ作りの雰囲気は違うものの辻邦生の「背教者ユリアヌス」と共通するものがあるよな印象。どこが共通してるのかと問われると困るけど。
フランスを代表する大貴族というと、すぐ名前が出てくるのはモンモラシーとかこのラ・ロシュフーコーなどなど。フランソア六世・ド・ラ・ロシュフーコー公爵。箴言で有名らしい(当然、読んだことはない)が、前半生がこんなに活劇調の冒険家・陰謀家とは知らなかった。知らないことって、多いんですよね。
登場するのがリシュリュー、アンヌ・ドートリッシュ、シュヴルーズ公爵夫人、ロングヴィル公爵夫人、マザラン、ルイ十四世・・・こりゃ三銃士の世界です。ダルタニアン物語、また通して再読したくなった。
堀田善衛、確かゴヤ(スペイン・光と影)もそうでしたよね。この手のゴシック調のもの、文体が合ってるんでしょうか。機会があったら他のものも読んでみます。そうそう。「海鳴りの底から」もそうだったか。これはちょっと印象が薄かったけど。