坂東真砂子は久しぶり。この前読んだのは「猿嫁」だったかな。何年前のことだろう。正確なタイトルは忘れました。あと、たしか「山妣」というのが、けっこう面白かった記憶がある。ヤマンバではなくヤマハハとルビが振ってあったような。
この「曼陀羅道」のテーマは何なんでしょう。人間の業(ゴウ)ともいえるし、衆生と救いの道の模索ともいえるかもしれないし、とにかくやたらとフニャ魔羅とそそり立つチンポと強姦が出てきます。
富山の薬売りという設定はよかったですね。単なる想像ですが、富山の薬売りが戦前はインドシナやマラヤまで進出していた・・という事実を知ったことがこの小説を書くきっかけになったとしても不思議はないです。屏風のようにそそり立つ立山連峰の麓の富山という舞台も悪くありません。
それにしても後半、ワープだらけの曼陀羅道をさまよう傀儡連が求める「薬師」。クスシなのか、ヤクシなのか。小説の最初の方に出て来るマラヤのシャーマン(?)は間違いなく「クスシ」だとは思うのですが。薬師=薬師如来と思わせる仕掛けなんでしょうね、きっと。