「鴉よ闇へ翔べ」 ケン・フォレット

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小学館 ★


karasuyo.jpg例のノルマンディ進攻の寸前、フランスの独軍電話交換施設を破壊しようってんで、いろいろ事情があったんですが、女だけの工作部隊がパラシュート降下した・・・。

というのは史実だそうです。暗号名Jackdaws。辞書をひいたらニシコクマルガラスとありました。関係ないけどRavenはワタリガラスです。ついでにカラスはCrowだけでなく、Rook(ミヤマガラス)、Chough(ベニハシガラス)、Carrion crow(ハシボソガラス)などなど。日本とは関心が違います。この逆が海草なんかで、ワカメもコンブもホンダワラもSeaweed。直訳すると「海雑草」ですか。面白いもんです。

それはさておき。

ケン・フォレットって、いいストーリーを作る人という印象なんですが、今回はダメでした。冒頭でいきなり美貌でセックスアピールがあってスキのない女レジスタンスが登場。ヤバイ!と感じたら案の定でした。この工作員が間に合わせのグループを急遽つくってフランスに飛んで、これもやり手の元警察官(ロンメル配下)とやりあう。美女、拷問、処刑、濡れ場、てんこもりです。余計なことだけど、表紙イラストも超ひどい。趣味が悪いだけでなく、稚拙。

そんなにサービスしなくてもいいのになあ。そういえば、「大聖堂」ってのもケン・フォレットだったっけ。あれはサービス皆無という雰囲気で、中身にはかなり重みもあって興味あったんだけど、なぜか最後まで読み通せなかった。相性の問題なのか、それとも単に私の根気がなくなっただけなのか。

教訓=装丁のひどい本は中身もよくないと覚悟すべし