副題は「土方歳三異聞」。私が借り出したわけではなく、転がっていたので一読。
この作者、よく知りません。新撰組関係というか、土方関連が多いみたいですね。この本も鳥羽伏見の後の土方と、その土方を付け狙う元隊士と女を絡ませたもので、なんかウジウジしながら股旅物みたいに函館まで行って、土方が死んでおしまい。
元隊士とは芹沢鴨の配下(あるいは同士)の平間重助。結果的に鴨を裏切って逃走し、落ちるところまで落ちてから逆恨みで匕首呑んで土方を付け狙う。女のほうは20歳の頃に年下の土方に孕むまされてしまったという経歴で、これも愛憎こもごもで土方を追う。なんだかわけのわからない筋書きです。
ま、そんなストーリーはどうでもよくて、ようするに江戸・奥州・蝦夷を転々とする新撰組副長土方を描きたかったんでしょうね。ちょっと土方が颯爽としすぎています。
うまいんだか下手なんだか不明の一冊でした。