早川書房 ★★★

先に原文を読んで、それから翻訳を読むというのは不思議な感覚です。不明瞭だった部分がスッキリもするし、じっくり雰囲気を楽しんで数ページずつ味わった部分が、拍子抜けするほどあっさりになっていたりもする。
広い陰気な城内の厨房で一匹のネズミとして怯えながら生き延びていくAryaのあたり、陰々滅々とした情感、凄味が翻訳では妙に淡白になってしまう。というより、翻訳でも原文くらい一行一行じっくり読めばまた違うのかな。でも日本語だからついスイスイと読み飛ばしてしまって、まるっきり印象が薄くなる。
おまけに、これと同時進行で巻1の「A Game of Throne」を読んでるもんだから、頭の中が混乱している。AryaならAryaが、たとえば赤い城の中で放浪しているのか、それとも既に脱出して王の道をうろついているのか、それも錯綜してくる。
ま、それはともかく。面白く読み終えました。原文ではイマイチ理解していなかったBrave CompanionsとBloody Mummersの呼称の関係なんかも、ようやく解明。(実はいままでMummersの意味がよく分からなかった) そうだったのか・・がいっぱいです。