ナイル川の源流ふきんからキリン(捕獲時は赤ん坊)はスーダン、エジプトを旅し、船に乗ってマルセイユへ。そこからまたテクテク歩き、パリに到着。なぜか牛の乳が好きらしく、先導する雌牛たちのお尻にくっついて延々6000キロ。
なかなかに興味深い一冊でした。王政復古期の平和なパリの市民はキリンを熱狂的に迎えます。同行飼育係のエジプト人(だったかな)は動物園のキリン舎の二階に住み込みで、気楽な生活。夜になるとけっこうご婦人方と遊んでいたということです。
反イスラム感情を融和できたかどうかは明確でありませんが、上流階級ではキリン型の高い髪形も流行したというし、あちこちにジラフ亭なんていう居酒屋がたくさんできた。なるほどねぇ。