「梟首の島」 坂東眞砂子

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講談社 ★★★

いくら本を読んでないないといっても、数カ月もの間、ゼロということはないはずです。ただ、何を読んだかも覚えていない。たいした本はなかったということでしょう。

久しぶりに「読んだ」という本。また坂東眞砂子です。この人、確か数カ月前に猫を捨てるとかどうとかのエッセイでマスコミが騒いでましたね。ネコファンから猛烈な抗議が殺到したらしい。この件に関しては私も意見がありますが、書きません。抗議が来たら迷惑ですし。

それはともかく。この本のテーマは明治初期の自由民権運動です。特に高知の民権運動について書いてみようとしたのかな。なんせ土佐べったりの人ですから。そこが持ち味。

民権運動、なーんも知識がなかったので、けっこう面白く読みました。明治政府が短い期間であれだけの仕事をしたんですから、さぞや苛斂誅求はあったはずです。よくまぁ政府がなんとか存続し続けられた。

で、各地で蜂起があり(秩父なんかが有名ですね)、その一つに加波山事件というのがあったらしい。これについては知りませんでした。要するに時の県令・三島通庸(この人の名前はよく見る)暗殺のために大量の爆裂弾を用意してたんだけど、不手際で一部が暴走。お粗末な暴走したあげくに十数人が加波山に立てこもって檄を飛ばした。

もちろん、あっさり捕縛されます。捕縛されて、国事犯ではなく強盗殺人の扱いで処刑。

こういう時に板垣退助など後世の有名人がどういう動きをしたのかも知りたいところです。うまく立ち回ってた人なのか、そこそこ頑張った人なのかも不明。そうそう、加波山の墓碑(だったかな)には後藤象二郎が何かを書いてるらしい。後藤もこの当時、どういう絡みをしていたのか。

山田風太郎あたりが生きていたら、このへんも題材にして、いろいろ面白いものを書いてくれたんでしょうけど。