新潮文庫 文春文庫 ★★★
山本周五郎のものはたいてい読んでいるし内容もだいたい覚えているつもりだが、この「虚空遍歴」は読み終えた・・という意識がない。どんなストーリーだったかもかなりアイマイ。
で、ふと思いついて借り出してみました。
なるほどなるほど。やはり過去に読了はしています。でも、ふーん、こんな結末だったっけか。暗いなあ。
今回は登場する脇役に少し興味をひかれましした。作者の酒竹とか絵師の濤石、医師の無仏といった連中がなかなかいいですね。みんな転落してしまう(無仏は違うか)し、もちろん主人公もダラダラと無限地獄に転落していく。面白かったけど、すぐ読み返すかというと、ちょっとエネルギーが足りない。
正直、疲れる小説でした。
半藤一利の「日本国憲法の二〇〇日」は本屋さんで発見して購入。ま、それなりに読めます。やたら山田風太郎の日記からの引用が多いですね。半藤さんも恐縮しながら、でも引用せざるをえない。風太郎の戦後シリーズは買っておかないといけないかなあ。そのうち・・と思っていると、本屋さんの棚から消えてしまうかもしれないです。