★★★ 新潮社
こんなのがあるんだ・・と発見して借り出し。
ま、悪くはないという程度の本。中世、地中海世界ではサラセンの海賊業が猖獗・・というか、アフリカ沿岸の連中にとっては立派な「産業」だったらしい。
金銀財宝だけでなく、とにかく町を襲って人間をひっさらってくれば商売になる。おまけに後期になると、熱心な「拉致解決騎士会」とかの連中がわざわざやってきて身代金を払ってくれる。一介の貧乏人キリスト教徒であっても、身代金の対象になる。すばらしいビジネスです。
イタリアあたりでルネッサンス開花の頃でも、まだ海賊商売は日常茶飯だった。王侯貴族にとってはどうでもいいことだし、十字軍の連中もエレサレムには関心あっても、アフリカなんかには気がのらなかったらしい。華々しくないですから。
ひどい目にあっていたのは海岸に暮らす人々だけ。ただし海賊もたまには内陸まで侵攻してきますが。
なるほど、そうだったのか・・という本でした。
追記
海賊は少なくとも18世紀の末まではいたようですね。フランス革命の後。そういえばモンテクリスト伯の中でも誰かが海賊につかまったとかいうエピソードがあったような。ん、山賊かな。いや山賊とは別に海賊話もあっような気がするけど・・・記憶がおぼろ。