「文人暴食」 嵐山光三郎

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★★★★ 新潮文庫

bunjin2010.jpgだいぶ前に同じ嵐山の「文人悪食」を読んだことがあります。面白かった。鴎外が餡のせご飯とか饅頭茶漬をよく食べたというのを覚えています。

で、その続編でしょうか。「悪食」。少しずつ読みましたが、やはり達者で面白い。たかが文庫一冊の割りには時間をかけて読むことができました。

なかほどで壺井栄が登場して、「二十四の瞳」について触れている。映画で「百合の花の弁当箱」の部分をみて涙滂沱だった・・・という記述を読んだだけで私も涙腺の土手が切れてしまいました。

あれは確かに泣けます。マッちゃんだったかコトちゃんだったか、みんなの持っているアルマイト弁当箱が買ってもらえない。ついに先生に買ってもらえたけど、それを持って学校にいくことはできなかった。たしかうどん屋かなんかに奉公に出されてしまうんですよね。

こんなエピソードを思い起こしているだけで、ちょっと涙がにじみます。安直だなあ・・・とは思うのですが、涙腺を刺激れさるんだから仕方ない。

ずーっと昔、チャプリンのキッドですかね、子役の達者な演技をみて涙が止まらなくなったことがある。映画館でボロボロ泣いてました。

自分にはそういう部分があるんだなあ、と再認識でした。