★★ 新潮社
副題は「宮中で何が起こっていたのか」。
保阪正康という著者、なんとなく名前は知っているし、たぶん何か読んだこともあると思います。ただ、記憶していない。
で、この本の内容は明治・大正・昭和、それぞれの天皇の崩御と即位のお話。孝明天皇の崩御話もあります。
いちおうは面白かったですが、特に新鮮というほどでもなし。いろいろ文献をひき例証をあげているものの、どうも根底に「私の主観」「私の推測」というスタンスが感じられ、その部分で半藤一利と少し違う。
ん、半藤も保阪も実は同じなのかな。同じなのかもしれないが「適当に客観事実をならべておていて、その上で主観を展開している」という雰囲気・臭みのようなものが強く感じられて、それだけ損しているみたいです。
大正天皇は伝えられるような人物だったのか。即位してしばらくは元気だったらしいです。漢詩が得意だったということは初めて知りました。また、桂太郎と大正天皇の関係についても初読。元老・桂のプレッシャーに負けてしまったというんですね。
ま、それを言うなら明治天皇の奥さん(昭憲皇太后)は亭主が近くの部屋で女官相手に大酒飲んでさわいでるのをジっと聞きながら編み物していたとか。そんなことも初めて読みました。
などなど、いろいろ。読んで損はしませんでしたが、星をつけるとなるとやっぱ二つ程度になります。