第9巻までついに読了。いやー、時間がかかった。本が借りられず途中で中断もありましたが、ほぼ1年がかりでした。
9巻が彰義隊の始末で終わっていると初めて知りました。なんとなく明治3~4年ぐらいまでは行ってると思ってた。もし海音寺さんが長生きしたら、たぶん全15巻か20巻には達したんでしょうね。明治に入ると資料も多いだろうし。
ちょっとボーッとして、感想も出てきません。
5巻の画像を流用です
あらためて感じたのは、大政奉還から鳥羽伏見にかけては、やはり徳川慶喜というキャラクターの存在が大きかったこと。もしあの時点の当事者が慶喜でなかったら、かなり紛糾したはずです。スムーズに維新は成立しなかっただろう。数年がかりの戦争になって、たぶん最終的には新政府ということになったような気がしますが、だいぶ政権の性格は違っていただろう。良かったか悪かったかはわかりません。
明治維新、それほど僥倖というか、ラッキーで成立したものだったんでしょうね。西郷、大久保、岩倉、慶喜。パズルがはまるように、ちょうど形の合うピースが揃っていた。
それにつけても(これしか感想はないのか!)、みんな偉い。ちょうど今の管政権末期のように、グチャグチャ・混乱・ワケワカメの中で、よくまあ辛抱強く動き回る、歩き回る。日和見の公家を説得し、決まったと思ったらすぐひっくり返り、それをまた修復し、殿様のご機嫌をうかがいながら異見を調整して方向性を出していく。
政治家というか革命家、やはり特殊な才能が必要です。これも何回か書いてますが、凡人がこの渦中に巻き込まれたら、あっというまに切られるか、怖くなって逃亡するか、切腹申しつけられて悔しがりながら死ぬしかない。
平和な時代に生まれ、なんとか凡々と生き長らえることができて、よかったです。
海音寺潮五郎の「西郷隆盛」、大佛次郎の「天皇の世紀」は全巻買い揃えられるものなら、ほしい全集の双璧ですね。欲しいけど、なんせ高い。