★★★ 日経BP社
オダジマの本は久しぶりに読む。大昔、遊撃手とかバグニュース(だったかな)では楽しみにしていた人だった。いろいろあった末に(というか、版元がつぶれる)、なぜかアサヒパソコンに連載を始めて、こんなメジャーというか清く正しい出版社と合うはずがない・・と思ってたら案の定で、まったく毒気の抜けたつまらないエッセイだった。
いろいろあるけど、やはり名著は若い時代の「我が心はICにあらず」でしょうね。あれは壮絶だった。ほとんど捨て身のヤケっぱち。しかし文体、文章は凄かった。なんでしたっけ、カレーについて書いた章がありましたね。えーと、正しく引用しますね。
「貧困とは昼食にボンカレーを食べるような生活の事で、貧乏というのはボンカレーをうまいと思ってしまう感覚のことである。ついでに言えば、中流意識とは、ボンカレーを恥じて、ボンカレーゴールドを買おうとする意志のことだ」(ハッカーの金銭感覚より)
よく知りませんが、最近は日経に書いてるのかな。オダジマに書かせてみようと思う勇気ある(無謀ともいう)編集者がいるんですね。危ないのに使ってみたい。
で、借り出して通読。うんうん。まだ面白いです。ですが、歳くったのかなあ。毒気はまだ残っていますが、妙に論理的というか、1+1=2の公式にのっとってる。理が勝っている。あるいは扱っている題材が原発、保安院やら八百長問題、石原都知事・・ここ1年ほどですから、なんかまだ熟成しきっていない印象で。
でも、ま、元気で書いてるらしい。売れてるかどうかは知りませんが、イグアナ(たしか風呂場で飼っていた)の餌代に苦労するような生活ではなさそうです。その点は、ちょっと嬉しい。