★★ 論創社
連載された追悼文を集めたものです。上下巻
うーん、なんといいますか、もろちん上手なんです。巧者。それぞれの内容もいい。笑えたり、しんみりしたり。三島由紀夫が鮨やで最初から最後までトロ(まぐろかな)しか注文しない野暮男だったとか、向田邦子の直木賞受賞は著者が「あの人も若くない。もう51歳だ」という発言がきっかけだったりとか。(あとで向田に「私は50歳よ」と文句言われた)
そうしたのぞき見的な意味でそれぞれエピソードは非常に面白いんですが、でもなんか後味がよくない。
なんでですかねぇ。こういう人とは付き合いたくないなあ・・という感じ。ずいぶん偉そうな部分もあり、ずいぶん控えめな部分もあり、非常に気をつかって神経質な小うるさい人のようでもあり、自己顕示の固まりみたいでもあり、よく涙する。こんな人が周囲にいたら嫌だろうなあ。
正直、だんだん読むのが辛くなってきました。読後に清涼感がないです。そうはいっても、
上下巻のほぼ9割は目を通しました。