★★★ 朝日新聞社
外出に持っていく本がなくて、ふと本棚から「アラビア遊牧民」を抜き出し。久しぶりの再読です。思っていたよりボリュームがなかったですね。そのまま流れで「ニューギニア高地人」「カナダ=エスキモー」と続きました。連載順のちょうど逆です。
大昔に感動したほどではなかったですが、それでもやはり名著でしょう。なんといってもあの当時、こうした未開の僻地に飛び込んでいって、しかも可能な限り衣食住を共にする勇気(あるいは蛮勇)はすごい。新聞連載の頃から、たとえばカリブー(トナカイ)の腸をすするとか、腐りかけたような小鳥を口にするとか、すげーことをする人間がいるもんだと感心したものです。
この 本多勝一という人、その後もいろいろ活躍したり物議をかもしたりしたみたいですが、あいにくまったく読んでいません。そうそう他には「日本語の作文技術」があった。これも名著です。
いろんな小説家なんかが腐るほど「文章作法」みたいなものを出していますが、みんな無意味な代物ですね。読むべき本は一冊もない。役にたつのはこの「日本語の作文技術」だけです。もう詳細は覚えていませんが「主語と述語は近づける」「修飾語と被修飾語」を離すな等々、非常にまっとうな技術的解説が面白かったです。情緒や感性ではなくて、あくまで「技術」。
ようするに「悪文を書かない秘訣」ですか。日本国民、全員がこの本を読んでほしいくらい。ただ10年以上前、なんかの拍子で人に貸したらそれっきり戻ってきません。ま、本を貸すときはそうしたリスクは覚悟の上なんで、とくに催促した記憶がないです。惜しい本は決して貸しちゃいけない。貸すときはあげたと思え。
というわけで、現物なし。でもエッセンスは記憶してるから(たぶん)、たいした損失でもないでしょう。
強調しておこうかな。
「日本語の作文技術」。日本国民、全員がこの本を読んでほしい。国語教科書で「詩の心を理解しよう」なんてアホな単元を作るくらいなら、こうした作文技術だけ半年くらい勉強したほうがはるかに有益。