★★ 徳間書店
未完だそうです。
アイディアはさすがに小松左京。壮大。直径だけでも1光年だか2光年の超巨大円筒がとつぜん出現する。地球から探査船で調べに行くだけでも数十年はかかる位置です。なんかアーサー・C・クラークのラーマに似てますが、真似っこと言われないように、大きさをべらぼうに大きくしてます。
位置が遠すぎるんで、もちろん生身の人間じゃ探査は無理。AEを派遣します。AI(人工知能)と違うのは、要するに意思をもったロボットというかシステム。AEとは「人工実存」なんだそうです。
その巨大円筒、いわば宇宙の誘蛾灯みたいで、あちこちの知的生物(あるいは派遣ロボットシステム)が探査のために集まってきている。
・・・というあたり、設定はけっこう面白いんですが、AEと異星人(あるいはロボット)とのやりとりが何というか、非常に人間的です。簡単に意思の疎通ができてしまう。そのへんが限界というか、スペースオペラみたいな感じで物足りないです。
で、十数種の異星人(あるいはロボット、システム)が集まって、会議ですね。研究学会です。この円筒はそもそも何なのかと発表会が始まって・・・・。
というところで小説は中断。宇宙論だかなんだか、わけのわからない能書きを延々とたれて説明しようとしてますが、ひょっとして小松左京、続きを書けなくなったんじゃないだろうか。大風呂敷を拡げすぎて収拾がつかなくなった。
ちょっと惜しい気もします。