「リトル・シスター」レイモンド・チャンドラー

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littltsister.jpg★★★ 早川書房

村上春樹訳です。たしか昔は「かわいい女」とかいうタイトルだったかな。

ただ、本当に前に読んだかどうか、どうも記憶が確かではありません。だいたいチャンドラーはストーリーがややこしいし逆転が多いので、読んでいても筋を忘れてしまう。この本だって読み終えてから、はて誰がどこで誰をどんな手段で殺したんだっけ・・と考えるとぼんやりしてきます。

後書きを読んだら訳者の春樹でさえ明確に把握できていないようなことを書いていました。やっぱりね。とくに今回は筋書きが雑というかちょっと問題ありで、何がなんだか・・という感じ。著者本人にも気に入られていなかった本らしい。

ただ登場の女連中がけっこう魅力ありますね。ただし魅力はあるんだけど、何を考えてるのかはハッキリしない。当初は生真面目そうな依頼人オーファメイ、フェロモン満点で登場するドロレス、ツンケンしたハリウッド美女のメイヴィス(この女の性格がいちばん不明)。

でもさすが定番マーロウもの。まったく飽きないし、読後感はいいです。ストーリーなんてどうでもいい。楽しかったです。また何か見つけて読もうかな。