★★ 柏書房
「リストラされた彼女の決断」などとやけに仰々しい副題がついてますが、あまり気にする必要はない。ま、要するに元キャリアウーマンがコルドンブルーのパリ本校へ通うお話です。
コルドンブルーってのは、料理学校ですね。いまでは全世界に数十のスクールを展開し、日本にもいくつかあったと思います。
かなり期待して借り出しました。結果としては、そう悪くもなかったけど、非常に面白いとまでは言い切れない。料理実習の詳細いろいろはいいんですが、自分の恋愛話を交差させてるんで、そこの部分が日光の手前、イマイチ。できすぎみたいな彼と仲良く助け合ってウンヌン・・という展開は、ま、どうでもいいです。
著者はライターやっていたアメリカ女性なんですが、フランス語はあまり得意じゃないんですね。3コースある実習のうち最初の2つは通訳がつくものの、最後の本格コースはフランス語だけ。ネイティブ講師シェフがペラペラしゃべるのをちゃんと聞けないとなかなか辛い。
はい。塩がどうたら・・と文句言ってるのはわかる。けど、これって塩が多すぎたのか少なすぎたのか。そこが判然としないんで困る。
ま、各国から集まってきた生徒たちがワイワイガヤガヤ、意地悪したりカバーしあったりしながら料理を勉強して試験を受ける。かわいい日本人学生がフランス語も英語も苦手とか、芸術品みたいな飾りつけをするとか、韓国人学生が失敗時の保険として既定以上の材料割り当てを確保してしまう(結果的に全員に行き渡らない)とか、ガツガツ成績ばっかり上げたがるアメリカ人生徒とか。
知らない世界をのぞけたという意味では読んでよかったです。各章の最後にはレシピがついています。興味のある人にとってはすごく楽しいかもしれません。