★★★ 講談社
上下巻。気になって借り出したのですが、タイトルはなんとなく知っているし、前に読んでないことはないはず・・。ただ抜き出して斜めに目を通しても、なんか記憶がない。
やはり既読でした。ただほとんど覚えてないので、ま、損はないですね。
明治初期の土佐の民権運動。下級武士の家に生まれた秀才の兄と能天気な弟が巻き込まれたり、巻き込まれることを拒否したりして成長していく。ん、特に成長もしていないかな。ま、悩んだり悩まなかったりして生きていきます。
なんだかんだ、最後は加波山事件で終わります。民権過激派が爆裂弾をつくって茨城県加波山に集結した事件ですが、かなり悲惨かつ矮小。筑波山の天狗党を連想させるものの、もっと規模は小さくて、もっと阿呆らしく終結します。
梟首の島、なんとなく「きゅうしゅ」と読んでいました。でもフリガナは「きょうしゅ」となっています。なるほど。梟雄を「きゅうゆう」とは読まないですね。ずーっと誤読していた。
土佐の元気な兄ちゃんが民権運動に血を沸かせて走り回るのはなかなか面白かったですが、日本とロンドンを交互に舞台とする小説の展開はかなり意味不明。テーマらしい「梟首の島」ということの意味もよくわかりませんでした。ニッポンはずーっとそういう島国だということなんでしょうか。
でもま、坂東眞砂子ですからそれなりにいい本でした。