★★ 平凡社
第2巻は南北朝時代の謝霊運から始まって盛唐へ。李白と杜甫も登場します。(第1巻は未読)
なんせ「漢詩」の本なので、たくさんの詩が紹介されます。ほとんどが未知。名前を知ってる詩人はほとんどいない。なんでこんな本を借り出したんだろ。
結論。
こうやってまとめて読んでもたいして感動はないもんですね。たとえばちょっと古いですが曹操だったら有名な歩出夏門行とか、なんかの拍子に一編だけ読んだほうが実は味がある。詩とか歌とか、一時にたくさん読むのはあんまりよくないようです。
もう一つ。本題とは外れますが、この頃の詩人は当然ながら知識階級です。天下国家の経営に野心を持っている。勉強一筋で試験を受けて、うまくいけば高官宰相。みんなお金持ちの育ちです。
したがって世をすねて旅してる詩人とか、実は派手な大名旅行であることも珍しくない。豊かな人なら、たぶん50人100人のお供を連れての遊山です。そういう権力者崩れが木々を愛でたり魚を釣ったりして、夜は芸妓をよんで大騒ぎしながら詩作を紹介する。そんなケースが多々らしい。
なるほどね。もちろん貧乏な詩人もいたでしょうけど、そもそも貧乏な知識階級という存在が希少価値。ふうつは豊かです。ただ、思ったようには出世できない・・という失望感だけは抱いている。その失望感が詩作の原動力になる。食うや喰わずじゃ詩は作れません。