★★ NHK出版
先崎学はもちろん将棋の棋士。ただしこれはNHK囲碁講座のテキストに連載されたものらしいです。
昔はけっこう強い人だったんだけどなあ。才気がキラキラしていた。羽生のライバルといってもいいくらいでしたが、才気にエネルギー使い果たしてすっかり差がついてしまった。
昔のエッセイ本でしたか、羽生と自分の写真が掲載されて「左は天才、右は元天才」とキャプションつけられて、さすがに凹んだ。実力の世界だけに、気持ちは察せられます。その夜は泣いたんだったかな。
ただし文才ではたぶん将棋界No.1です。河口俊彦さんも文章が達者でしたが、やはり先崎には一歩譲ります。で、これは将棋の先崎が碁について書き綴ったエッセイ。他業界のことなので力が抜けていて、すんなり読めます。
文中でボヤいてますが、「碁の棋譜は追っかけにくい」という意見には大賛成。ゴチャゴチャした広い盤面で「67」とか「98」とかいう石を探すのは大変なんです。棋力のある人なら、次は当然このあたりだろうという予測がつくんでしょうが、素人が番号を探してると目がチラチラしてくる。もっと探しやすい記載方法はないもんですかね。