昨年読んだ本、ぜんぶで何冊だったのか。うーん、たいしたことはなかったですね。数字としては95エントリー。ダブッてるものもあるし、逆に再読があったりメモしなかったりもあるんで、実際に読んだ冊数は110から120冊くらいでしょうか。3日に1冊くらいのペース。
その中で★★★★を付けたのはたった2冊。「ゴースト・トレインは東の星へ」と「極北」でした。(他にも★4にしようかどうか迷った末の★3は5冊くらいはあったか)
「ゴーストトレイン・・」はポール・セローの旅行記ものです。ロンドンから東欧、スタン国群を通ってインド、東南アジア、日本。そしてシベリア鉄道で帰還。若い頃に書いた「鉄道大バザール」の惨めなルートをたどる続編というか、再現ですね。
内容はかなり主観的というか、いいかげんです。かなり面白く誇張している。誇張はしているけど、けっこう核心をとらえてるんで、そんなに腹は立たない。あっ、アーサー.C.クラークのファンだけは立腹するかもしれません。スリランカで悠々自適というイメージのあった大作家ですが、実際に会ってみた印象は、うーん、困った親爺です。
もう一冊の「極北」のマーセル・セローは、偶然ながらこのポール・セローの息子です。タッチもまったく違うし、こっちは近未来もののSF小説ですが、でも乾いた描写が非常によかった。文明崩壊の後のシベリア北東部、極寒の地で銃に身をかためた主人公が生きていく。
ストーリーそのものはたいして意味ない感じです。ひたすら叙述の美しさ。厳しさ。無慈悲な暴力と生命力。読後感の素晴らしい本でした。
今年ははて、どれくらい読めるか。視力が弱ってメガネが疲れるようになってるんで、ちょっと減りそうな気もします。ま、仕方ないですね。
そうそう。★3ではありますが、4つ★候補の次点はヒラリー・マンテル「ウルフ・ホール」の続編である「罪人を召し出せ」かな。訳が気が利いて楽しい本でした。
コニー・ウィリスの「オール・クリア」もいいんですが、なんか分冊の仕方と刊行時期で間延びしてしまった感あり。やっぱ本は間をおかず一気に読まないといけませんね。