霏々として雪の舞う中を三春からの花嫁行列。行列ったって冬ですからね、長持ち唄をうたうわけでもないし、みんな蓑かぶって粛々と歩くだけ。かなり寒そうです。米沢の国境あたりで落ち合って花嫁を引きつぎ、田村のお供たちはここから引き返し。こんなアントワネット嫁入りみたいな習慣が当時があったんだ。てっきり老臣+侍女など10人くらいは米沢までつきそうかと思ってた。
で、姫様付きの侍女が三人来ることを伊達側が初耳というのはちょっと?な話です。事前の打合せが不十分。でもこのへんの両方の重臣たちのやりとりは見応えありました。雪中のエール交換シーンもよかったですね。
ゴクミ、きれいでしたが期待想像が膨らみすぎてたのか、こんな程度だったかなあ・・という感じ。それでも可愛かったですけどね。でまあ、花婿花嫁のやりとりとかオママゴトなんかは学芸会ふうでちょっと気恥ずかしいレベル。昔の子役は今ほど達者じゃなかった。
このドラマ、会議や宴会の芝居が良質と思います。当主、その兄弟、親戚、重臣、下っぱ。それぞれが特に堅苦しくもなく、かといって馴れ馴れしくもなく、お互いの距離を計りながらきちんと芝居している。けっこう言うべきことは言うけど、最後に当主がスッパリ決断してしまったらもう逆らわない。逆らわない代わり、こっそり(自分の責任で)警護の兵を出したり、万一の指示を与えたりする。
ということで死にかけた最上の隠居・義守老の枕頭で、当主の義光と伊達の輝宗が顔を揃える。原田芳雄と北大路欣也です。いやー、とくに原田芳雄の最上義光は素晴らしかった。見た瞬間から「ワル」とわかる。こいつ、何かたくらんでるな。最近のドラマみたいに吠えたりわめいたりの大げさな芝居はしないけど、腹に一物、悪巧みしてるのは明白。もっとも伊達側だってそんなこと百も承知なんですけど。
いい役者さんがいなくなった。もう少し原田芳雄の演技を見続けたかったです。