こんなSF全集が出てたんですね。出版芸術社という版元は知りませんでした。
中身は1980年前後のSF短編集で15~16本を集録。知っているのは新井素子、夢枕獏、高千穂遙、栗本薫、大原まり子などなどかな。田中芳樹、式貴士、岬兄悟、水見稜、火浦功、 野阿梓、菊地秀行などはまったく未読。若い頃からSFは大好きで東京創元社やハヤカワ、数百冊は読んでいたはずですが、この1980年付近からだんだん肌合いが合わなくなって遠ざかった。そうした個人的には「合わない」時代の作品集です。
この中で数冊以上読んだことのあるのは大原まり子くらいでしょうか。この人の雰囲気だけはけっこう気に入っていた記憶があります。なんか猫をタイトルにしたものとか、シノハラ・コンツェルンものとか。新井素子は吾妻ひでおとの合作ものだけ面白く読みました。愛の交換日記か。
それにしても、後書きにも書かれてますが、新井素子処女作(?)の「あたしの中の......」、よくまあこんな作品が賞をとった。星新一が強く押したということですが。時代なんだろうなあ。そうそう、未読だった大原まり子の「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」も、あまり感動しませんでした。