一揆煽動がバレて呼び出され、鬱々とした表情で清洲に向かう馬上の政宗。で、清洲から京への道中では一変して晴れやかです。嘘つき政宗の大芝居が大成功でした。
こういうふうに「野心」「悪巧み」「嘘つき」を主人公にした大河って、他にあるだろうか。えーと、大昔の足利尊氏なんかはけっこう悪そうでしたが、でもそれほどではない描き方でしたね。仕方なく嘘をつき、やむをえず鎌倉に反旗をひるがえし、仕方なく弟を殺す。
戦国の世の武将を誠意のカタマリにするのは、どう考えても無理があるんです。無理やりやるとアホみたいになる。主人公を善人設定にすると、対抗する連中をみんな悪にしないといけないし、このところの大河の失敗はたいていコレですね。
それどころか何もしてないのに「さすが官兵衛じゃ」とかもてはやされる。あの直江兼続のころから目立ち始めたような印象もあります。ん、「山内一豊のおかげじゃ」なんてセリフもよく聞いたような・・・。
で、今回の石田三成、もちろん敵役ですが、なかなか威厳がありました。ワル設定は仕方ないとしても、やはり有能設定にはしてもらないと。
そうそう。可哀相なのは蒲生さん。なーんにも悪くないのに、酷い目にあう。踏んだり蹴ったり。世の中に正義はないのか。で当の政宗は「本当に謀叛してないの?」と奥さんに聞かれても大嘘ついて、でもさすがに目を合わせられなくて抱きしめる。笑えるシナリオでした。