鹿島屋から新巻き到着

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今年も新潟鹿島屋から新巻き到着。これが届くとなんとなく豊かな気分になれます。他とくらべてけっして安くはないと思いますが、でも美味しい。鹿島屋では、いまだにおばちゃんたち(たぶん)が手作りで仕上げしているようです。そのためか「少し塩を多めに」と同じ追加注文をしても、仕上がりの味は毎年ちょっとずつ違う。鮭の個体差にもよるんでしょう。試しに尻尾のほうの切り身を焼いてみましたが、今年は少し塩加減がきつめかな。

新巻きと一緒に漬け物類もお願いしています。気に入っているのは「あられ茶漬け」の小袋。瓶詰めにくらべるとちょっと割安です。みそ漬け大根のあられ切りとシソの実。いかにも越後ふうに非常に塩っぱいです。爪の先くらいをご飯にのせて食べると、実に美味い。ご飯のお代わりしたいのを必死に我慢する。もったいないから大事に食べています。

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思い起こせば子供の頃に亡くなった祖母が、これをよく食べていた。もちろん手作りで、確か「シソの実」と称していました。常食はシソの実と梅干し(これも口が曲がるほど酸っぱい)と味噌汁。そうそう。小魚の醤油煮のようなものも常備していた。真っ黒に煮詰めたもので、「メダカ煮」と称していたような。実際にはメダカや小鮒などの混合雑魚です。ほとんど醤油のカタマリ。高血圧にはよくないんでしょうね。でも美味しいんだからしかたない。

世の中の美味いものはたいてい塩がきつくて脂が多い。あるいは糖分が多い。健康とは相反します。そうそう。今年も健康診断の結果はあまり改善されなかったなあ。医者は「酒を減らせ」と言うけど、それができたら苦労はない。酒と煙草をやめて毎日運動。長生きできるかもしれませんが、あははは。

そうそう、祖母が亡くなったあと、「メダカを煮ていたのが良くなかった」とみんなが言っていたような気がします。

寒くなりかかった頃の季節、天秤かついたメダカ売り(いたんです)が通りかかります。呼び止めて一升とか二升とか買い込んで、堀りゴタツを取り払った切り炉(というのかな)に炭を入れ、鍋をかけ、洗った大量のメダカを入れて、醤油をドバッとかけて、たぶん酒とか味醂の類もほんの少しは入れたのかな。

雑魚は非常に身がもろいので、崩さないように、焦げないように、気をつかいながら前かがみの姿勢で、けっこうな長時間煮る。もちろん正座しての前かがみです。なんかそれが体によくなかった、というのが父や兄弟の言い分だったらしい。炭酸ガスを吸ったというのかな。

ほんとのことはわかりません。でも「メダカ煮はやめろ」と言われても祖母はいうこと聞かなかったでしょうね。大樽に梅干しを漬ける。洗い張りをする。布団の皮を洗う。大鍋で味噌汁をつくる。チマキを作る。メダカを煮る・・・。忙しいです。きついです。でもすべて女衆の誇りをもった仕事だったと思います。

自分も子供のころは薪でご飯を炊いたり、炬燵に炭を入れたり、薪を割ったり、水をくんで風呂をたてたり、手伝った記憶もあります。男の子であっても、子供が家事を分担するのは当たり前でしたね。冬は朝起きたら家の前の雪かきをする。そんな大雪の早朝でも、もう新聞配達が通ったスキーの跡が残っている。新聞配達はたいてい中学生くらいの少年たちのアルバイトでした。貴重な現金収入。