あちこちツマミ食いしながらの歴史エッセイあれこれ。
サラリと読めます。特に目新しいことも少ないのですが、タバコ禁令は面白かった。
徳川時代初期、タバコが禁止されたんだそうです。理由はあれこれ言ってますが、たぶん要するに新しいことを幕府が嫌ったんじゃないか。長いキセルをもってプカリとやる姿がどうも気に入らない。刀の派手な朱鞘もそうだし、長すぎる刀も禁止された。どう考えてもたいした理由はなさそうで、単に「あの態度は気に入らない」だけだったような。
ついでですが、士農工商といいますが、少なくとも江戸初期まで商人はとりわけ差別されていたわけではない。商人を圧迫する姿勢が出てきたのは紀伊國屋文左衛門の頃じゃないだろうか。
で、タバコ。薬として愛用されたらしいですね。先日みた「独眼竜政宗」でも、政宗は朝とか寝る前とか、決まった回数だけ煙管をふかす。嗜好というより体にいいからということなんでしょう。
当然のことながら禁止令はべらぼうに評判が悪い。そのうち河原の乞食までが偉そうにプカーッとやっているのを見た商人が「こんな連中まで喫煙をしているんだから、いまの禁止令もそのうち解除になる」と見抜いて、余っていた煙管を大量に買い集めた。で、解除になってからの煙管需要に乗って大儲けした。これが実は白木屋の始まりだった。
というもっともらしい話ですが、さすがに嘘だそうです。