ちょっとタイトルはナンですね。要するに江戸時代の人の書いた手紙解説です。
一応は原文を掲載して、難しそうな場合は現代文に解く。ま、あんまり難解なのは出てこないので、完全に読めなくても雰囲気はわかるという仕掛けです。
わりあい面白かったのは田安家に奉公した奥女中の手紙ですかね。農家の出らしく、折りにふれて親元へなんやかかんや手紙を書く。たいていは無心です。遠慮しいしい、でも頼むべきところはしっかり頼む。女中奉公も楽ではなかったらしい。
奥女中といえば、大奥から島津家の奥向きへ送った手紙も楽しかったです。天璋院付きの奥女中ですから、ようするに主人の実家へ書いた公式の手紙。先日は贈り物を受け取ったとか、やはり薩摩の赤味噌がいいとか、言われたから空の重箱を送るけどこれに入れるんじゃなくて、もっと良い箱に入れたほうがいいよ(個人的意見だけど)とか。瑣末なことを形式張った書状にして送付。大奥の祐筆担当って、こういう仕事をしてたんですね。