こんな立派な全集が出てたんですね。厚さは5cm近く、ページ数は900越え。ひぇー。巻18から巻20までの3冊が「真田太平記」らしい。
なんでこんな本を借り出したかというと、要するに未読なんです。だいたい池波正太郎は特に好きな作家というわけでもないんで、読んでないシリーズはたくさんある。ましてこんな長大なものはずーっと敬遠。ただ来年の大河ドラマが真田ものらしく、あちこちで「真田太平記」の言及がある。ん、そういえば読んでなかったなあ・・・という成り行きです。
とりあえず巻18だけ読了。
なるほど。ちょうど吉川英治の宮本武蔵とか白井喬二の富士に立つ影とか、中里介山の大菩薩峠とか。要するにひたすらひたすら長く延々と続く時代小説です、たぶん。こうした長大小説の特徴は、メインストーリーから外れた枝葉の部分をたっぷり盛り上げる。宮本武蔵だったらお通とか本位田ナントカとか、ま、そうした人物が歩いたり泣いたり誘拐されたり悲しんだり。悪く言えばページを稼ぐ。もちろんそれが悪いってわけじゃないですが、ずーっと根つめて読んでるとアタマがボーッとしてきます。あいにく酷暑だったし。
で、「真田太平記」。冒頭、高遠の城にいた若い鑓足軽が女に誘惑されるところから始まる。なんだろ?と思っていたら、この青年がやがて真田信繁(幸村)に仕えるらしい。で、女はもちろん甲賀の分派である真田忍者。真田といったら忍者ですわな。
ということでストーリーは甲賀忍者と真田忍者の死闘に繋がります。それとは別の枝葉として、真田昌幸の奥方の妹の子供ってのがなぜかグレて、なんかガタガタ反抗する。また沼田のあたりには城主の軟弱な息子がいて、これもいろいろあって柳生ナントカ兵衛の弟子になる。
もちろん時代は流れています。武田は滅亡し、信長は死に、秀吉は朝鮮出兵。真田父子は激流の中、なんとか生き延びようと知謀の限りを尽くします。さささ、これからどうなるか。
てなところかな。それなりに読めるので続巻が手に入ったらたぶん読みます。でも何がなんでも読まずにいられるか・・・というほどでもない。