この手の本、けっこう好きです。好きだけど、読んでも理解できない。最初は「うんうん」と頷きながら読み進むんですが、そのうち混乱してくる。前に戻ればいいんでしょうけど、面倒なのでそのまま読み進み、結局ワケワカメで読了。
ま、それでもいいんだと開き直っています。ほとんど理解できなくても、ボウルの底にほんの少し、澱のようなものが残る。ぼんやりしたイメージですね。ま、それでもいい。
で、この本のテーマは要するにプレートテクトニクスというか、古代の超大陸がどんなふうに移動してどうなったか、あちこち実例をあげて(けっこう平易に)解説しています。具体的な例をあげて分かりやすく説明しているので、ぼんやりイメージはつかめます。
ひとつ、覚えました。「ナップ」という言葉。アルプスなんかがどうして出来たか。南からアフリカプレートが押し寄せて、衝突すると盛り上がって、北の地殻におおいかぶさる。テーブルクロスを押しやる例で説明していましたが、どんどん押すことでシワができて、新しい地殻の上に古い地殻がケーキの層のようにかぶさる。結果的に上ほど古い地層、下ほど新しい地層というヘンテコリンな形ができあがった。で、その後を風や水がせっせと削って、アルプスのできあがり。
大昔。大学の一般教養で、地学をとったことがあります。精悍な雰囲気の若い助教授でした。なんせ新進気鋭で現地を飛びまわっているから休講がやたら多い。たぶん年間で5回くらいしか講義はなかったんじゃないかな。いつも長靴に作業着姿でダダダダッと教室に入ってくる。20分遅れで講義が始まって15分前には終わる。もちろん受講した学生は全員単位がもらえます。
古地磁気かなんかが専門らしくって、本州が反時計回りに折れ曲がっていく仕組みを説明してくれました。詳しいことは理解できないけど、面白い講義だったなあ。ついでにウェゲナーの大陸移動説も話してくれました。ウェゲナー、当時はまだ確定という説でもなかったようです。
かつては大陸移動説、いまではプレートテクトニクス理論ですか。完全に定説なんですね。ときどきネットなんかでパンゲアがどうしてローラシアがどうとかいう移動図を目にしますが、いまだに覚えきれない。複雑怪奇です。興味はあるんですけど。