★★★ 文藝春秋
とくに読むつもりもなかったのですが、たまたま図書館の書棚にあったので借出し。1カ月ほど前によんだ上巻の続きです。
要するに時間旅行した主人公がなんとかケネディ暗殺を阻止しようとする。しかし時間旅行の設定として「特定の日時、特定の場所にしか戻れない」という制約があるため、63年11月22日がくるまでの長い時間を現地で暮らさないといけない。することもないので、ダラス近くのとある高校で教職につきます。もちろん経歴は詐称。
で、背が高くて不器用な女性(すぐ躓いて転ぶ)と知り合う。ずーっとリー・オズワルドの監視をしながら、ついでにこの女性とも愛し合う。だんだんどっちが本筋かわからなくなるんですが、ま、そうした手法でスティーヴン・キングは長い長い話をなんとか繋いでいく。
どうして会うなりオズワルドを無力化しないのか。そこがこの小説のミソで、要するにオズワルド単独犯という確証がないわけですね。もし共犯者がいるとすれば、オズワルドだけ殺しても意味がない。人を一人殺して(とうぜん、警察に追われる可能性が高い)それでも結果的にケネディが死ぬんじゃあんまりです。
結末はもちろん書けませんが、けっこうハラハラドキドキのストーリーでした。ついでに言えば、全体のトーンは、ちょっと叙情的かつ暗いです。