ポーランドボールの世界
「ポーランドボール」とは国旗デザインのボールキャラクターたちが繰り広げる投稿コミックサイトです。内容はステレオタイプの会話で、偏見に満ちた歴史観や国家観がほとんど。でも面白いので、ときどき覗いています。
本当はオリジナルのほうが更新が早いんですが、なんせ英語を読むのが難しいので、もっぱら翻訳版をみています。「ポーランドボール」の英語は、かならずビジンイングリッシュふうの酷く訛った英語です。正しく表記することは許されていません。
このサイトを見る際に求められるのは「決して真面目にとらない」こと。「決して怒らない」ことも重要。たとえば「ニッポンボール」はかつての大戦の栄誉を忘れられず、米国ボールに媚び、何かというとハラキリを宣言する。おまけに変態でいつもカワイイを連発しています。
たとえばラトビア(だったかな)は家よりも妻よりも娘よりも1コのポテトを大切にします。「その女をよこせ」と脅されても従順にしたがう農民が「ポテトをよこせ」と強要された場合はたちまち反乱を起こす。命より誇りよりポテトが大切。
アメリカボールは巨大なハンバーガーに食らいつきながら「自由を!民主主義を!」を所かまわず連呼。しかし肝心の相手の国の名前をすぐ間違います。夜郎自大の無知。親切に行動したつもりが、なぜか嫌われて悲しむ。
かなり各国の歴史とか地理を知らないと、面白さは理解できません。何が面白いんだろ・・・とコメントをいろいろ読んで初めて知ることも多いです。投稿者のレベルがかなり高いんでしょうね。
フィリップスのシェーバーが拾い物だった
パワータッチ PT725Aという電動シェーバーを買いました。シェーバーなんて自分で買うのは生まれて初めてです。3600円程度だったかな。今は5000円ほどに上がっている。
円安でこのての製品がみんな値上がりしています。だから未だに内蔵ハードディスクが買えない。5000円くらいで入手したい気分のウェスタンデジタルのHDDが今は9000円くらいに上がっている。
このフィリップスのシェーバー、意外に使いやすかったです。3軸でモーターはあまり強力ではないし、剃りごごちも痛快とはいえません。しかしバッテリーは長持ちするし、丸洗いできるし、ときどき無精髭をきれいにする程度の用途ならまったく問題なし。たまにスッキリしたいときだけ3枚刃だったか4枚刃だったかの(替刃が高いぞ)のT字を使います。
連休混雑の高尾山へ行ってきた
以前から折に触れて家人が「高尾山がなんとか・・・」と言う。興味があるのかなとは思っていましたが、私は登山にほとんど関心なし。はるか昔、高1の頃に苗場に登ったことはあるものの、これはなかなかハードだった。登ったときは爽快でしたが、もう十分です。
それが、何がどうしたのか家族で高尾へ行くことになってしまった。途中まで行って、すぐ降りて麓で懐石を食べようという気楽なスケジュールだったんですけどね。
ただし連休まっただ中というのが失敗でした。とにかく混んでいる。ケーブルを待つ、下りてからも歩きにくい、下山しようとしてもラッシュの駅みたいな状態。おまけに石を埋め込んだ下山道がけっこう膝にくる。懐石の送迎バスもノロノロだし、着いてからも時間待ち。悪くはなかったけれど、ちょっと懲りました。
連休中に行楽地へ行こうなんて、悪い考えでした。
長州の魚屋の息子が京で出刃包丁をふりまわす
えーと、ようするに大河ドラマの悪口です。古今未曾有の最悪ドラマでした。
特に好きな女優ではないですが、主演の井上真央、ひどい貧乏籤をひいた。というより、このドラマに出演してトクした俳優さん、いたんだろうか。松陰の伊勢谷友介、そこそこだったけどマイナス10点。玄瑞の東出昌大は大根がばれてしまってマイナス50点。高杉晋作の高良健吾もアホな芝居させられてマイナス20点。
杉家一族の長塚京三、檀ふみ、原田泰造。下手な人たちではないのに最悪脚本でマイナス60点90点。みんな不気味で恐かったです。殿様役の北大路欣也、奥方の松坂慶子、銀姫の田中麗奈、みんな可哀相でした。そうそう、ちょい役で出た乃木坂46とかお笑いとか、みーんな大変でした。同情。
ちなみにタイトルの意味は「松下村塾の亀太郎が、京にのぼって出刃をふるい、長井雅楽を暗殺しようとする」。松浦亀太郎ってのは魚商人の息子ですがWikiによれば長州藩の陪臣。陪臣なら立派な士分です。例の松陰の肖像を描いていて、号は松洞。もちろん教養人で志士。なんで出刃包丁もって行くんだ。おまけに出刃で切腹するとか。泣。
大英博物館展 東京都美術館
実はたまたま大英博物館の館長が書いた「100のモノが語る世界の歴史」という本を読んでいて面白かった。で、そこで紹介された美術品がそのまま陳列されるというんで、行ってきました。東京都美術館の大英博物館展です。
こじんまりして、そこそこ良かったんですが、内容はほとんど忘れてしまったなあ。考古展ではないので、けっこう斬新な企画展示にもなっていました。
そうそう。やはり記憶に残ったのはクローヴィスポイントかな。新大陸の小さな尖頭器ですが、実に精緻。まるで美術品です。しかし説明書きによると「一定の手順通りに(坦々と)作業して作成したものだろう」とか。工芸品ではなくあくまで実用品。
出たあと少し歩いて、池之端の伊豆栄で鰻。なんか行きつけみたいな書き方ですが、もちろん初めてです。なんかの本で読んで知ったのかな。浅田次郎の「黒書院の六兵衛」に出てきたのかもしれない。瓦解後の江戸城に居すわる頑固侍を懐柔するために、うまい鰻を食わせるというエピソード。 あんまり甘くなくて好きな味でした。大きな店で中国人らしい観光客もいました。接客はあくまで気楽な下町ふう。
生まれて初めて銀歯をいれた
個人的には大事件。一昨年に下の奥歯を一本抜いたのに続いて、今年は上の奥歯が痛みだし、しばらく頑張ってから生涯3回目の歯医者。もちろんボロボロでもう処置のしようがないだろう、ポコッと抜いてオシマイと思ってたら、抜かずに治療しますかという成り行きになった。で、数日(面倒な)通ってついに銀冠をかぶせる身となりました。やれやれ。奥歯なので、口を開けて笑ってもたぶん見えません。
医者に言わせると「硬い、いい歯」なんだそうです。ただし前歯の噛み合わせは悪いらしい。不便でしょ、と言われて初めて気がつきました。うーん、そういえばスルメを前歯では食いちぎれない。前歯で何かを噛み切るということもなかったような。固い肉なんかにかぶりつくときは、いつも少し横の歯を使っていた。
そうか。自分の前歯はちょっと欠陥商品だったんだ。なるほど。70歳近くなって初めて気がついた。
木曽路。馬籠から妻籠まで
木曽路の宿から宿まで、ちょいと歩いてみようかと思い立ったんですけどね。木漏れ日の中をハイキング気分で散策するようなイメージでした。
いやはや。宿の仲居さんが「物好きな」という顔をしていたのも当然です。馬籠と妻籠の間、手荷物を一般道経由で運んでくれるサービスがあるんで、もちろんこれを利用。ところが馬籠の案内所のようなところで荷物を預けたのがもうギリギリの時間でした。要するにスケジュールの組み立てが甘かった。
のんびりハイキングどころか、妻籠での荷物受け取り時間までに余裕がなく、けっこう(主観的には)セコセコ歩く羽目になりました。セコセコったって、だいたい3時間。普通の人は2時間くらいで歩く道中らしいです。呆れられそうですが、4時間くらい使って歩いたらゆっくりできたかもしれない。途中の茶店でも、もっとゆっくりお茶をご馳走になるとか。「熊注意」の看板の横で熊の声を真似て吠えてみるとか。
という成り行きで、到着した妻籠でも電車の時間がせまっていてまったく時間なし。観光なし。道すがら横目でながめて通りすぎただけです。いかにも我が家らしい。こういうバタバタした旅ほど記憶に残ってくれます。
赤坂大歌舞伎で七之助早変わり
歌舞伎を見てきました。勘九郎と七之助で「於染久松色読販」。「おそめひさまつうきなのよみうり」と読みます。要するに油屋の娘が手代に惚れて・・というお話。早変わりが売り物で七之助がクルクル衣裳を替えます。鶴屋南北ですからね、ストーリーなんて、正直どうでもいい。
鶴屋南北。売れない頃の南北を主人公にした小説を読んだことがあって、えーと皆川博子の「鶴屋南北冥府巡」ですか。デガダンで粘っこくてなかなかの本でした。
南北という作者はかなりの遅咲きです。なかなか芽が出ない。念願かなって立作者になれたのは49歳。ちょっと毒があってケレンものが得意で、軽業みたいな早変わりを役者に要求する。通な見巧者からは嫌われたんでしょうが、俗だろうがなんだろうが受ければ勝ち。ほれ、お客さんは喜んでるじゃないか。
七之助の早変わりもお客さんに大受けでした。だいたい思った時間の半分くらいでガバッと変わるんですね。そこでキャー!と歓声があがる。楽しいものです。
ファースト・ペンギン
たいしたもんじゃないんですが、書いてみた絵がけっこう気に入ったので掲載。「ファースト・ペンギン」ってのは、要するに最初に海に飛び込むペンギンのことです。
何か最初かというと、実は海にはシャチやオットセイなんかが泳いでいる。シャチは海の狼だし、オットセイは顔見るとわかりますが、海の犬です。どっちも食肉動物。遊泳しているペンギンを見ると「うまそ!」と食いつきます。
ペンギンは魚食動物なので、魚を食べています。しかしシャチはペンギンを食べる。魚も食べるけどチャンスがあればアザラシも食べるし子クジラも食べます。
で、シャチやオットセイが来襲すると警報が発せられて、ペンギンたちは一斉に氷の上に避難。避難していれば安全ですが、でもだんだんお腹もすいてくるし足の下の氷も冷たい。じゃ、誰が最初に海にとびこむ? アイツだお前だとオシクラ饅頭しているうちに、運の悪い奴がドボンと落ちる。落ちると仲間たちは先駆者の様子を真剣に凝視。しばらく何事もないようなら、みんな安心してドボントボンと飛び込みます。それがファースト・ペンギン。偵察者ですね。
もしシャチが待ち構えていて犠牲になった場合は、みんなで話し合って「高貴な先駆者ここに眠る」とか、銅像でも建てるんですかね。いやいや。ペンギンは死んでもたぶん遺体はのこらない。タコの遺骨はいつ帰るという唄、ありました。何言ってるんだか。
渡辺明、10期目の竜王に復位
これもたいしたことではないですが、将棋の渡辺明が竜王タイトルを取り戻しました。これで通算10期目。タイトル1回で5000万円くらいのはずなので、そうか、竜王戦だけで5億は稼いだ。その他いろいろあるはずなので、ま、棋士になってからは10億程度かな。渡辺ほどの才能にとってこの額が多いのか少いのかは不明ですが、ま、よかったですね。
なんで棋士のタイトルを気にするのか。どうも「渡辺竜王」という呼称に馴染みが深いというか、安心感がある。名人ならやはり羽生名人ですね。これが将棋界の秩序というものです。安心して、ときどきはネットの棋戦を眺めますか。
別件ですが、囲碁も対局ソフトをインストールして、時折やっています。「最強の囲碁 新・高速思考版」という安物。たしか1800円くらいでダウンロードできました。
そんな廉価版ですが、いやー勝てない勝てない。単純に自分が下手なだけですが、あんまり勝てないと気分が悪くなってしばらくお休み。そのうち思い出してまた対局してみて、たまには勝つけどたいていは負ける。
トシのせいでしょうか、3手先を読む努力ができないんですね。うーんと考えているうちに面倒になってくる。なんとかなるだろ!と打って、あららら、と負ける。そればっかり。
歌舞伎座の12月公演は妹背山婦女庭訓
赤坂大歌舞伎に味をしめたのか子供がまた行こうというので、こんどは歌舞伎座の12月公演。けっこうな席料なのに、座席はチープです。ちょっと椅子幅が狭すぎるなあ。
演目は妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)。作は浄瑠璃の近松半二。近松門左衛門に私淑した人らしいです。ふーん。
前に見た文楽の義経千本桜と同様、ストーリーはふっ飛んでいます。千本桜では平重盛の嫡男、維盛が身をやつして、すし屋の手代になっている。奥方のナントカ姫が後を追って吉野をさまよう。すごい隈取りした梶原景時が捕縛にやってくる。
女庭訓の場合は時代がもっと古くて、なにしろ悪役が蘇我入鹿です。で、忠臣藤原鎌足の息子が烏帽子折りに身をやつして、洒落た着流し姿。酒屋の隣りに住む。そこへ被衣(かつぎ)をかぶった入鹿の妹が通ってくる。なんとまあ。入鹿の御殿の前では、豆腐買いの婆さんが下駄はいて歩いてる。まるで時代ミックス、SFの世界です。
ま、そういうものなんでしょうね。だんだん人形浄瑠璃とか歌舞伎の「常識」がわかってきました。