ようやく読み終えました。内容は米国の被差別状況です。ニューヨークのハーレムでの黒人、南部諸州での黒人、そして居留地の先住民(インディアン)。
書かれた時代がたぶん1960年代の後半でしょうか。「日本ではなかなか信じてもらなかった」そうですが、その後に偶然「イージー・ライダー」が公開され、「ソルジャー・ブルー」もあった。「そうした映画が内容の真実性を裏付けてくれた」そうです。
50年以上前の米国です。ま、だいたいは想像通りでしたが、本多とアフロヘアーの黒人が同乗してクルマで走っていると狙撃されたというのは流石に驚きました。黒人だけならさして問題ではない。連中は面倒を起こさないから。またアジア人も問題はない。しょせんは黄色い連中です。また「目覚めた黒人」の証拠であるアフロも、それだけなら、これまた相手にしないだけ。
アフロとイエローという組み合わせが問題だった。そこに土地の住民の怒りを買うセンシティブなものがあった。単に無視するというレベルではなく、積極的に抹殺しようとする。
ちなみに本多は終始一貫「英語」ではなく「イギリス語」という言い方をしている。理屈はわかりますが、偏屈なオヤジだなあ。どこかにある日本大使館に電話をかけると受付けがイギリス語で応答すると怒っている。通常、日本大使館に用のあるのは現地の日本人や旅行者だろう。なんでイギリス語で応答するんだ。
もっともな怒りではあります。やたら攻撃的ではありますが、本多の主張には納得できます。ただし、読むのは疲れました。本多勝一集には他にも「戦場の村」とか「中国の旅」なんかもあって読もうかなとも考えていましたが、うん、ちょっと休憩です。