この作家は初めて。けっこう達者な人です。
えーと、関ヶ原から30年後、さるお方に頼まれた江戸の商人(紙屋だったかな)が、関ヶ原や三成について事情を知るさまざまな人間にインタビューする。ま、偉い人は無理です。たいてい誰それの家来だったとか小姓だったとか、そういう男たち。いや、女もいました。高台院(ねね)の侍女だったかな。
インタビューですから、質問事項は決まっている。関ヶ原の戦いは何故起きたのか。三成ってのはどんな人物だったのか。なぜ20万石程度の三成が西軍を指揮できたのか、等々。相手の地位や立場によって回答もいろいろです。
こうして関ヶ原に至る経緯や、石田三成という人物の輪郭がだんだん明確になってくる。たいていはこの時代に関心ある人なら知っているような事実ですが、初耳もありました。三成の子供(男子)や女子が奥羽の某大名を頼って生きのびたこと。また関ヶ原の戦いの火蓋が切られたとき、西軍側は応急ながらまともな陣をかまえて待ち受けていた。そこへ家康が無謀に突っ込んでいく形。
ふーん、でした。
内容は(特に結末)面白かったんですが、ちょっとワンパターンで飽きる部分もある。★4つにするほどのこともないかなという本でした。