「セックスはなぜ楽しいか」ジャレド・ダイアモンド

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★★草思社
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これも予約して閉架から借出し。

ジャレド・ダイアモンドだけど、それほど面白くもなかったです。わりあい平凡。要するにオスとメシ、男と女にとって(遺伝子残し戦略として)どういう形が望ましいか。

女は子供を産むためのコストが膨大なので、ポンと産んでさっさと他の男を探すわけにはいかない。そんなことをしたら子供が育たないから。また男にとっては種付けしたらすぐ他の女のところへ行ったほうが賢いんだけど、そうはさせないように女は戦略を練る。

発情期を明確にしないという作戦。明確でないので、男は「うん、種をつけたな」と確信がもてない。そのため女のそばでずーっと暮らす羽目になる。また男にとってはあちこち渡りあるいて種付けするのはいかにも賢明なようだけど、産まれた子供が本当に自分の遺伝子かどうか。不確実です。

自分が他の女を探すように、実は他の男どもも女をあさっている。自分が留守して浮気しているあいだに、他の男も同じように浮気して歩いている。つまり「自分の女」が妊娠したからといって、その子が自分の遺伝子と信用できるか。やはり近くにいてジーッと監視する必要があるわけです。

女にとっても男手は必要なので「これはアナタの子よ」と納得させる必要がある。せっせとご機嫌もとるし、子供が産まれたら夭折させないように二人の共同作業で育て上げる。無事に育つことが二人にとって価値があるんですね。男にとって「これは自分の遺伝子だ」と信用できるなら、なんとか無事に育て上げるのが実は効率がいい。あちこち種をばらまく作戦は、有利なようで必ずしも得策とは言い切れない。

そういうわけで、一部の金持ちや有力者以外は、みんな(たいていは)一夫一婦のつがいになる。

そうそう。人間だけでなく、ウソをつく鳥もいるらしい。妊娠したのにオスのいなくなったメスが、他のオスを呼び寄せてつがう。で「あら、タマゴができちゃった」とお芝居する。可哀相な新参のオスは他のオスの種のタマゴをせっせと温め、せっせとエサを運ぶ。(通常、妊娠したメスは再度発情期にはなりません)

かなり省略していますが、ま、だいたいそんな内容だったと思います。かなり乱暴だけど。