★★★ 光文社
岩井三四二という作家、「あるじはXX」三部作とか「三成の不思議なる条々」を読んでいます。よく調べていて達者な人ですが、うーん、なんか足りない。あるいはなんか多すぎる。
「光秀曜変」は要するに、なぜ光秀が謀叛したのか、謀叛したあとなぜマゴマゴして後手々々にまわってしまったのかの謎解きです。
信長だったか信忠だったか「光秀のような男が攻めてきた以上、もう逃げ道なんかあるはずない」と諦めたと伝えられています。用意周到、深謀遠慮、それだけ武将として信用があった。しかし現実には、本能寺のあと、なんかやることが鈍い。不思議です。
本能寺のとき、光秀は何歳だったのか。55歳というのが通説みたいですが、実はあまりよく分かってなくて、63歳、67歳なんて説も出てきた。もし60代だったとしたら、いろいろ面白い可能性が出てきますね。もうかなりの年齢だし、ひょっとしたら認知症になりかかっていたのかもしれない。
ま、そういう解釈です。読み終えると光秀がちょっと哀れになってきます。