昆虫なんてたいして好きでもないんですが、なかなかこのテのものを読む機会もないので、つい魔がさしました。
そもそも「昆虫」と称していますが、正しくは「節足動物」ですね。で、付け焼き刃の知識によると、この大きな節足動物グループの中に甲殻類(エビやカニ)、クモ形類(クモとかダニ)、そして全動物の4分の3を占めるといわれる昆虫類が含まれる。昆虫ってのは要するに頭・胸・腹に体節がわかれていて、変態とか脱皮とかする連中ですわな。いわゆるムシ。
いろいろ熱を込めて書かれていますが、正直いって読み通すのが大変でした。そしてわかったのは
・人間である研究者は、どうしても哺乳類中心の史観から抜けられない
・だから貧弱な肺魚がヨロヨロと陸にあがったことを大イベントと考える。それがどうした
・曇りない目の昆虫学者からすれば、たとえばジュラ紀とか白亜紀なんかは「昆虫の世紀」と称してもいいんじゃないか
・昆虫が繁栄したから大型動物も栄えた。昆虫がいたから被子植物の巨大な森もできあがった。巨大な森の昆虫をたべて動物たちは繁栄した。哺乳類の先祖とされる肺魚だって、陸にあがって間違いなく昆虫をたべていた
とにかく数が多くて世代交代が早い。繁栄した期間も長い。次から次へと新しい戦略を考え出して、変態をしたり、絹糸を吐き出したり、狩りをしたり、すばやくタマゴをイモムシに産みつけたり、空を飛んだり。すごいです。
ま、地球上でもっともはびこった(もちろん今でも)動物が昆虫です。まず昆虫ありき。巨大な恐竜も、たぶん虫に食われて苦労していたんじゃないか。これから宇宙船にのってアンドロメダへ行っても、新型のヒューマノイドに出会う確率は非常に低いけど、ひょっとしたら新種の昆虫世界にならでくわすかもしれない。
ま、そういうことのようです。昆虫バンザイ!