「わが心のジェニファー」浅田次郎

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★★ 小学館
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米国の青年。幼いころに両親が離婚して捨てられた形で、元海軍提督である祖父の家で育てられる。この爺ちゃんというのがけっこうユニークな性格。しかもうるさい。太平洋戦争の経験があるので日本人嫌い。魚嫌い。アンガスかなんかの赤身1ポンドのステーキが大好きで、もちろん塩と胡椒だけでしっかりウェルダンに焼く。

やっぱりね。なんかの本で、米国人(特に中西部) ではステーキを靴底みたいにカチカチに焼くと知りました。サッとレアでなんて、東部男みたいに軟弱なことはしない。男は黙ってウェルダン。

ま、ともかく。青年の恋人(ジェニファー)はなぜか日本にいれこんでいて、ぜひとも日本を見てこいと熱心にすすめる。PCやスマホを持たずに体ひとつで日本へ行くこと。ゆっくり見てくること。

ということで気のいい青年はほとんど予備知識なしで来日。いろいろ感動したり感嘆したりの連続です。けっこう笑える。東京から京都へいって、大阪で寄り道して別府へ。途中で嘘みたいな着物の女性と知り合いにもなる。

けっこう笑えてこれからどう始末するのかな・・・と思っていると、なぜか急に北海道。雪の釧路で丹頂鶴のダンスを見る羽目になり、あれれ? あれ? なんか無理に結末つけられて急にオシマイ。完全に尻切れトンボです。

理由は不明ですが、浅田次郎が急に書く気をなくした。困ったもんで、ま、結果的には駄作というしかないです。

ちなみに1ポンドはだいたい450gです。けっこうな量。