鯉の甘煮

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吉祥寺東急の全国美味いもの展(たぶん)で鯉の甘煮を買ったことを書いたけど、うーん、ちょっと記憶の味とは違ってました。

生まれ育った田舎には養魚場があって、鯉やら鱒やらがたくさん。試験場だったのかな。池の周辺にたしか3軒ほど店があり、その中でも水面に座敷を張りだした老舗の料理屋が家の行きつけでした。大人数でタクシーつらねて行くんだから、けっこうな出費だったんだろうなあ。法事とか祝い事とか、数年に一回くらい行ったわけです。

で、出されるメニューは鯉の洗いと鯉こく、飴煮。鯉こくってのは、どうしてあんなにこってり味が出るんだろうというくらい美味い。坂東眞砂子がなんかの小説で、貧しい農家の嫁も産後には鯉を一尾もらえると書いてました。まるまる一尾を鯉こくにして、一椀食べる毎に滋養がしみわたる。一尾食べ終わった頃には体力回復。また辛い日々が始まる。

ま、そういうことで長野県飯田の鯉を夕食に食べたのですが、うーん、ちょっと違った。それなりに美味しいんですが、ちょっと甘味が薄い。「飴煮」という感じじゃなく、やはり「うま煮」「甘煮」ですね。魚肉の味がする。記憶の中の鯉はもっと硬くカチカチでうまみの固まりでした。

数日後、娘の帰宅にあわせて残しておいた切り身を温めて出したところ、さらに味が薄くなっていた。温めたのが敗因だったかもしれない。なんとなく「違うね・・」という鯉でした。妻の意見も娘の感想も同じだったので、たぶん正しい。

行きつけだった昔の料理屋はもう廃業しているけど、同業の店が一軒だけ残っていて、今はネット販売もしているらしい。ためしに注文してみようかな。・・・そう思って検索してページを発見したけど、なんか販売に力が入っていない雰囲気。試食3切れパックだけが掲載されていて、これはカマや尾の部分が入るという。どうもこの時期は放流事業(なんだ?)が忙しいらしいです。すこし様子をみてまた見てみますか。