とちくるって借出し。井上ひさしの本はめったに借りません。
えーと、簡単にいうと東京四谷あたり。孤児院の子供たちが工夫して商品先物相場。何百億も稼ぐ。なぜ稼ぐかというと、自分たちの城、理想郷をつくるため。
ということで、独特のひさし節を我慢すればそこそこ読めるんですが、残念ながら未完でした。書かれたたのは1988年から89年にかけて。バブル時代ですね。小説中でもページを割いて先物相場の仕組みなんかを詳しく書いている。顔をしかめながら書いたんでしょうか。
中断して20年ほどで作者は亡くなり、もう続きを書くことはなくなった。その翌年あたりに講談社が刊行。
いちおう、最後まで読みましたが、やはりけっこう辛いです。単調というか大味というか。この感想、代表作(?)の吉里吉里人でも感じました。空虚な明るさとでもいうか。国語もの系なんかは割合好きなんですが、子供系とか地方方言ものなど、どうも苦手なものも多い。
ま、そういうことですが、読了はしたので一応メモを残す次第。