後書きにもありましたが、山田風太郎の臨終図鑑を継ぐ意図で始めたらしい。ただ当時は書けた臨終の詳細も、もう現代では調べられない。仕方ないから「臨終」ではなく「晩年」にした。これなら、ある程度調べもつく。
というわけで、その人物の晩年だけではなく、生い立ちから死ぬまで、さらには親やら子供やら友人やら、いろいろ範囲を拡げて絡めて時代を記述する。成功していると思います。
関川夏央という人、読んだのは初めてじゃないかなあ。もう70歳になるらしい。こんなトシの人とは知らなかった。もっと若者向けの小説家かと思っていました。ま、それはともかく、いずれにいたしましても(某総理の口癖)楽しく読める本でした。自分がモノを知らないせいもあるけど、あの人物とこの人物がこう関係していたんだ・・・・という驚き。たしかに山田風太郎の切り口です。有名人物だけでなく、けっこう地味で意外な人もとりあげられています。